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小学生の子どもから「学校へ行きたくない」と言われた時

 この記事では、「学校へ行きたくない」と小学生の子どもが言ってきたときにどんなふうに応えれば良いかを解説します。

 ある日突然「学校へ行きたくない」と言われたら、親も驚きますし不安になると思います。親の驚きや不安は自然な反応なのですが、子どもに親の驚きや不安をぶつけてもプラスになりません。子どもを「認める」「ほめる」という肯定的な関わりが大切です。「認めること」「ほめること」で子どもの心を支えて、子どもの心の成長を促すことができます。

どの子どもも不登校になる可能性があります

 小学生の不登校の児童は、平成24年では24,175人でしたが平成28年では31,151人と増加しています。全体に占める割合も平成24年では0.31%、平成28年では、0.48%と増加しています。(出典 平成28年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果(速報値)について

 

 実は、この数字は現場の実感よりも少ないと思います。例えば、小学校では、保健室登校の子どもたちが珍しくありません。毎朝保健室に登校してきて、給食の前に家に帰っている子どもは、欠席としてはカウントされません。欠席した日数が30日という基準があるので、そういった子どもたちは、不登校としてカウントされない場合が多いのです。

 

 また、文部科学省も不登校については、「どの児童生徒にも起こり得ることとして捉える必要がある」「不登校とは,多様な要因・背景により,結果として不登校状態になっているということであり,その行為を「問題行動」と判断してはならない。」と言っています。(出典 不登校児童生徒への支援の在り方について

 

 こういったことを考えても、どの子どもも不登校になる可能性があると考えることが良いと思います。ある日突然「学校へ行きたくない」と言われてから考えるのではなくて、どんなふうに対応したら良いのかを少し考えてみることが、子どもにとってもプラスになると思います。

 

お勧めできない返答の仕方

「『学校行きたくない』なんて言わないで頑張りなさい」

 学校へ行くということは、ある意味当然のことですし、ほとんどの子どもたちが学校には休まずに通っています。そのため、「学校へ行きたくない」ということは特別なことです。また、もし学校へ行かないでいると、勉強が遅れてしまうとか、人との関わる力が育たないとか、色々と心配な気持ちが生じることだと思います。親としては頑張ってほしい気持ちは自然です。

 子どもの立場として考えると、「学校へ行きたくない」と親に言うことは、勇気のいることだと思います。勇気を出して言ったことが、「言ってはいけない」と否定されてしまうと自分自身を全否定されたような気持ちになってしまいます。

 親としては、自然な気持ちが表れた言葉ですが、子どもを追い詰めてしまう可能性が非常に高いのでお勧めできない返答だと言えます。

 

「どうして行きたくないの?」

 ある日、子どもが「学校へ行きたくない」と言い出すわけですから、親としてはその理由を知りたいと思うのは当然です。しかし、一般的に「どうして~しないの?」という疑問文には、相手を非難するニュアンスが含まれています。親としては子どもを非難する気持ちは全くなくて、単純に原因や理由を知りたいと思って「どうして行きたくないの?」と質問した場合でも、子どもは、非難されたと感じてしまう危険性があります。原因を解決して、子どもを助けてあげたいという親の気持ちが上手く伝わらないのです。

 

言えたことをほめます

 「学校へ行きたくない」と子どもが言ってきた時に、一番大切なことは、「学校へ行きたくない」と言えたことを、ほめることです。「『学校へ行きたくない』ってきちんと教えてくれてありがとう」とか「『学校へ行きたくない』って言いにくいことがきちんと言えたのはすごいよ」などと、言えたことをほめるような言葉かけをすることが大切です。

 「学校へ行きたくない」などという否定的なことを言葉で表現することは、大人でも子どもでも難しいことです。現代社会では自分では解決できない問題が降りかかってくるリスクに全ての大人も子どもも直面しています。困ったことや問題が起きたときに、身近な大人に助けを求めることが、現代社会を生き抜く最も大切なスキルなのです。だからこそ、「学校へ行きたくない」と言えたことを積極的に認めてほめることが大切なのです。

 

今まで頑張ってきたことを認める言葉かけをします

 「学校へ行きたくない」という気持ちは、今日だけ突然に生じてきた気持ちではありません。少しずつ大きくなって耐えきれなくなって「学校へ行きたくない」という言葉として表れてきたと考えるのが自然です。今日だけ「学校へ行きたくない」わけではないのです。毎日、ずっと「学校へ行きたくない」と想いながら過ごしてきた可能性が高いのです。

 だからこそ、今までそういう気持ちを抱えながら頑張ってきたことを認める言葉を返すことが大切なのです。例えば、「今まで頑張ってきたんだね」とか「行きたくないけど、ずっと我慢してきたんだね」などと言葉を返してみることがひとつの方法です。今は、子どもは頑張れないのかもしれませんが、頑張ってきたことを認めてもらえるというのは、次の頑張りたい気持ちにつながってきます。「頑張りなさい」と声をかけた場合よりも、頑張ろうとする気持ちが自然にわいてくると考えられます。

 

まとめ

 ある日突然「学校へ行きたくない」と言われる可能性があるのですが、その場合、「『学校行きたくない』なんて言わないで頑張りなさい」と返したり「どうして行きたくないの?」と質問したりすることは、お勧めできません。子どもを追い詰めてしまう危険性があるからです。「『学校へ行きたくない』ってきちんと教えてくれてありがとう」とか「『学校へ行きたくない』って言いにくいことがきちんと言えたのはすごいよ」などと言えたことを認めたりほめたりすることが大切です。また、「今まで頑張ってきたんだね」とか「行きたくないけど、ずっと我慢してきたんだね」などと今までの頑張りを認める事も大切です。

 

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