学校の先生方が、長時間労働でつらい思いをしていることが、広く知られるようになりました。もともと教師という仕事は専門性が求められる上に責任も重大ですので、ストレスが大きい仕事です。それに加えて、長時間労働になってしまっているためメンタルヘルスが、おびやかされる状況となっています。
実際、精神疾患など休職している先生方の数は、2023年では6539人と、初めて6000人を上回り過去最多となったとのことです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231222/k10014295991000.html
リソースポートでは、メンタルヘルスの不調が大きくなっている学校の先生方のカウンセリングにも力を入れております。
代表カウンセリラーの半田は1995年から約30年ずっとスクールカウンセラーとして仕事をしております。勤務した学校は70校をこえました。その経験から、学校の仕組みや文化は肌感覚でつかんでおります。学校の先生方が辛い状況に追い込まれ、メンタルヘルスに不調をきたしてしまうことは無理もないと感じます。
スクールカウンセラーの経験も活かしつつ先生方のサポートにも力を注いでいきたいと考えています。
ぜひ、リソースポートのカウンセリングのご利用を検討してください。
背景にはトラウマがあるかもしれません
スクールカウンセラーとしての私の経験からは、学校の先生方はトラウマに苦しめられていることが多いと感じます。
管理職や先輩教員からのパワハラやそれに近い関わり、保護者からのクレームやそれに近い要望などが先生方を苦しめていると感じます。それらはストレスの源ですが、対処不能だと感じられるようなストレスはトラウマとなります。そして、うつ状態や不安を生じさると思われます。
一般に、ストレスによる不調はストレス源から離れると軽減します。しかし、トラウマによる心の不調はそれほど単純ではありません。トラウマの場合は心の傷となって心に残っているため、何らかのきっかけ(トリガー)によってトラウマの記憶が活性化されて心の不調が生じています。そのため、ストレス源から離れても、様々な場面でトリガーによって記憶が活性化されて不調が生じるのです。
ところで、休職されている方は「うつ病」よりも「適応障害」が多いと言われています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5715f09282f3c8e49dd9d357ab7f86c14439df95
【適応障害】とは「環境変化によるストレスが個人の順応力を越えた時に生じる情緒面および行動面の不調です。うつ病など他の精神疾患の診断がつくには至っていない状態です。薬物療法も行われますが、環境調整、環境に慣れること、個人の順応力が増えることなどが状態の回復に重要です。」(出典:厚生労働省「こころの耳」)
【うつ病】とは、「脳のエネルギーが欠乏した状態です。それによって憂うつな気分やさまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続くだけでなく、さまざまな身体的な自覚症状を伴うことも珍しくありません。つまり、エネルギーの欠乏により、脳というシステム全体のトラブルが生じてしまっている状態と考えることができます。」(出典:厚生労働省「こころの耳」)
上記のような先生方が直面しているトラウマは、医学診断上のPTSDの診断基準を満たさない場合がほとんどです。また、【うつ病】ほどは心身の全体的な状態が低下している分けではありません。
そのため、【うつ病】とも【PTSD】とも診断しづい状態の方が多く、【適応障害】という診断がつくのだと考えられます。
一方、心理学的には【トラウマの症状化】として捉えることができます。
うつ病であれば、多くの場合、休息と服薬によって回復します。しかし、【トラウマの症状化】の場合は、それだけでは回復しづらいと考えられます。トリガーによって記憶が活性化されて不安や恐怖が発生するというメカニズムはあまり変化しないからです。
【トラウマの症状化】によってつらい思いが続いていると感じる方は、トラウマケアのカウンセリングも一つの選択肢として考えてみてはどうでしょうか?
トラウマケアのカウンセリングとしては、EMDRの有効性が確認されています
リソースポートでは、トラウマケアのカウンセリングとしてEMDRをご利用いただけます。EMDRはトラウマ記憶にアクセスし、その処理を促進することを通して、辛い症状を軽減する働きがあると考えられています。
EMDRについては、以下のページをご参照ください。
もちろん全ての方にEMDRが適切だとは言えません。症状や状態によってどのようなカウンセリング技法が良いか、お話しを伺いながら丁寧に判断していきます。その中で、EMDRが可能と判断される場合には、こちらからお勧めいたします。
休息と服薬では、あまり良い変化が感じられない場合には、トラウマケアのカウンセリングをご検討ください。