不登校や登校しぶりなど、お子様が学校に行きづらい状況になっているときに、保護者様は、日々心配されて、つらい思いを重ねていらっしゃることが多いと思います。ちょっと良くなったかと思うとすぐ逆戻りしてしまって、どうして良いか分からないとか、親の方が落ち込んでしまう、という話を聴くことがあります。
この記事には次のような内容が書かれています。
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例えば、こんな状況だと思います。校外学習は、本人が以前からすごく楽しみにしていて、当日も朝から元気に参加できた。帰ってきたときは、疲れた様子だったが、表情も良かった。このまま学校へ行けるようになるのかなと思っていたが、次の日からは、また逆戻りで、前と同じように朝も起きてこなくなった。「校外学習に行けたんだから、授業も頑張っていくようにしたら」と話すと、「すぐそんなこと言うからムカつくんだよ!」と逆ギレされて、部屋にこもってしまった。
こういった状況の場合、保護者様は、先の見通しが持てなくなったり、気持ちが落ち込んでしまったりすることがある意味自然です。このままどんどん状態が悪くなってしまうのではないかと不安になってしまうことと思います。
実は、上に書いたようなエピソードは良くあることで、あまり一喜一憂する必要はないのです。
波の図を見て下さい。横方向は、時間の流れを示しています。縦方向は、心身の状態を示しています。
校外学習に行けたというのは、図の「a」の波の「山」の部分にあたります。そのあと、学校へは登校できず、親の声かけに反抗的な状態へと下り坂に変化してきているわけです。その下り坂の変化は、どこかで下げ止まって、また上向きに変化し始めます。波の中に「谷」の部分が生まれます(図の「b」の部分)。aからbへの変化の時に、このままずっと、下げ止まらないで、落ちていくだけではないかと心配になることと思います。自然現象でも経済指標も、こんなふうに波を繰り返しながら変化していきます。普通にいわれていることですが、山あり谷ありを繰り返しながら変化していくのです。
波を繰り返しながら変化していくことは分かっていただけたと思いますが、さらに大切なことがあります。山の部分は山の部分と比べること、谷の部分は谷の部分と比べることが大切なのです。図でいえば、a→cを比べて、b→dを比べるのです。
a→bを比べることは、全く意味がありません。良い状態がくれば悪い状態が来ることはあたりまえです。b→dを比べて、前の悪い状態だったときと、最近の悪い状態だった時を比較して、「前よりも益しになっているな」と思えれば、全体として良い方向へ向かっていると考えて構わないと思います。短い時間感覚で比べてみることはあまり意味がないので、数ヶ月前の悪い状態のときと最近の悪い状態の時を比較してみてください。1年前の、同じ月や同じ季節の悪い状態の時と最近の悪い状態の時を比較してみることも良いと思います。
さらに補足ですが、良い状態のa→cの変化は、あまり気にする必要はありません。a→cがさらに良くなっていくことはあまり大切ではありません。a→cが少し下り坂でも、b→dが上向きなら、全体として良い変化だと考えて良いと思います。この場合、波の振れ幅が全体として小さくなっているからです。
b→dが上向きでも、波の幅が大きくなっていると、本人の辛さや大変さが増加すると思われます。そのため、良い方向への変化は少し抑制するぐらいの気持ちがちょうどだと思います。
>>>詳しくは「中学生の不登校では、カウンセリングは本人?保護者?」へ
不登校の子どもたちにとっても、学習は大切です。しかし、勉強するようにうるさく言っても、なかなかうまく取り組めまいものです。すこしでも勉強に取り組めるような方法を紹介します。
>>>詳しくは「不登校の子どもにお勧めの勉強方法5つ」へ