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不登校の子どもに学校の話をしてはいけない?

一般に、学校の休みが続いている子どもには、「学校の話をしてはいけない」と言われています。医師やカウンセラーから言われることもあるようです。不登校に関連している本に書いてあることもあるようです。そう思っている方は多いのではないかと思います。

 

実は、リソースポートでは、「学校の話をしてはいけない」というアドバイスはしていません。むしろ、学校の話をできる方が子どものサポートにつながると考えています。

 

しかし、単に学校の話をすれば良いのではありません。いくつかの工夫が大切なのです。

親子の会話

学校の話をしてはいけないと言われている理由

不登校の子どもたちは、ほとんどの場合、「学校へ行かなくて良い」と考えているから学校へ行っていないわけではありません。「学校へ行かなければならない」という気持ちは人一倍強く持っている場合が多いのです。しかし、その反面「学校へ行きたくない」「学校へ行くのが辛い」などと「学校へ行けない」気持ちも強く持っています。

 

つまり、不登校の子どもたちの心の中では、学校を巡って2つの相反する気持ちがぶつかり合って戦っているのです。心は、学校を巡る強い葛藤状態なのです。

 

そんな状態で、学校の話をしてしまうと、元々強かった葛藤状態が助長されます。相反する気持ちがさらに激しくぶつかり合うのです。

 

そういうわけで、不登校の子どもには、学校の話をしてはいけないと言われているのです。

 

不登校の子どもの学校を巡る葛藤を解消

しかし、以上のように考えていくと、「学校の話をしない」ことが大切なのではないことが分かります。「学校を巡る気持ちの葛藤が解消する」ことが大切だと分かります。

 

では、学校を巡る葛藤が解消されるにはどうしたら良いでしょうか?

 

葛藤が解消される一番の近道は、学校についての色々な気持ちや考えを子どもが自分から話せることです。話すことで、自分自身の気持ちが少しずつ整理されて、葛藤が小さくなってきます。大切なことは、“自分から”ということです。自分から、自分で話したいように話すことが大切なのです。

 

よく聴いてあげる

もし少しでも子どもから学校の話が出てきたら、その話をよく聴いてあげることが基本です。子どもの考え方や気持ちを変えようとしたり説得したりすると、葛藤状態が激しくなってしまうので、お勧めしません。

 

「ああ、そうなんだね」などと、ありのままを受け取る気持ちで話を聴きます。話が弾まないときには無理をする必要はありません。葛藤が解消していくためには、具体的な話が出てくると良いのですが、聴き出そうとしても難しいかもしれません。チャンスがあれば、「特にどんな時に、そんなふうに思うの?」などと、「どんな時に?」と質問してみることはお勧めです。具体的な場面が思い出されて、具体的なエピソードが語られるかもしれません。そんな話を、ありのまま受け取る気持ちで聴いていくと良いと思います。

 

改まった設定や問い詰めるような雰囲気ではなかなか話しづらいものです。食事の準備をしながら、車の運転をしながらなど、何かをしながら会話することも良い工夫の一つです。

 

良いきっかけがある方が話しやすい

誰でもそうですが、大切な話や複雑な気持ちがわいてくる話の場合、話し始めるきっかけが難しいものです。そのため、ただ待っているだけでは、学校を巡る葛藤について、子どもが自分から話せないかもしれません。良いきっかけがあると楽です。

 

リソースポートがお勧めしているのは、親が自分の子ども時代の話をすることや、親が子どもの時に通っていた学校の話をすることです。軽く、ちょっとしたおしゃべりの延長で、自分の子ども時代の学校のエピソードを話してみてください。

 

例えば、こんな感じです。

「そういえば、お母さんが小学生の時は、宿題をやってこなかった子は、先生がその子の手にシッペしてたんだよ。シッペって知ってる? お母さんも何回かされたことがあるけど、あれって、意外と痛いんだよね。された後10分ぐらいは、ジンジンして痛みが残っちゃうんだよね。」

 

子どもが乗ってこなければ、そのまま終わりにして構いません。子どもが「え?」と疑問を持つようなお話が理想的です。お説教になるような話ではなく、ちょっとした失敗話が良いです。

 

子どもがその話に乗ってきて、自分の感想や自分自身の学校との違いについて、一言でも二言でも話してくれたら最高の展開です。子どもの話を「そうなんだね」という気持ちでありのまま受け取るように聴くと良いと思います。

 

まとめ

 不登校の子どもに学校の話をすることは、葛藤を激しくさせてしまうことがあります

 子どもが学校巡る自分の気持ちや考えを自分から話すことが葛藤の解消に役立ちます

 子どもの気持ちや考えを「そうなんだね」とありのまま受け取る気持ちで聴くことが大切です。

 


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