お子様がHSC・HSPかもしれない

と、ご心配な保護者の皆様へ

 HSCやHSPは、最近できた捉え方です。HSCとは、Highly Sensitive Child(ハイリー・センシティブ・チャイルド)、HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略称です。直訳すると、「高度に敏感な子ども(人)」となります。

 この言葉は、最近非常によく聴くようになりました。きっと、お子様がHSCかもしれないと悩んでいるお父様お母様が多いのではないかと想像しています。

 

 HSC・HSPは心理学や医学の世界ではっきりとした共通理解が得られた考え方ではありません。もちろん、診断名ではありません。でも、子どもたちの成長を支えていくためには、大切な考え方だと思います。

 

過敏さがあって辛い(HSC)

HSC・HSPの4つの特徴

HSP/HSCには4つの特徴があると言われています。

1つめは、「処理の深さ」です。感覚的な刺激を強く、深く受け取り、処理する傾向があるということです。

2つめは、「刺激の受けやすさ」です。感覚や刺激を遮断したりマイルドにするフィルターが弱く、一度に多くの刺激が心に入り込んでくる傾向があるということです。

3つめは、「情緒的な反応と高い共感性」です。人の考えや気持ちを察知してしまい、感情的に揺さぶられやすい傾向があるということです。

4つめは、「些細な刺激に対する感受性」です。五感が鋭く、様々な刺激をキャッチしてしまう傾向があるということです。

 

HSC・HSPでは、こういった特徴は、生まれながらの特徴(気質)だと考えられています。

 

HSC・HSPは、発達障害の一種でしょうか?

 HSC・HSPと「発達障害」は、似ている面があります。一つは、感覚への過敏さがあるという点です。また、HSC・HSPも「発達障害」も、生まれながらの特徴であるという点では基本的に同じです。

 しかし、「発達障害」は、医学的な診断ですので、厳密な定義があって、それを満たしているかどうかは医学的に判断されるものです。上でも書いたように、HSC・HSPは、共通理解が得られた考え方ではありません。その点では、全く正反対です。つまり、HSC・HSPと「発達障害」が同じものか、HSC・HSPは「発達障害」の一種かどうかは、はっきりとしたことを言うことができない状況です。

 

 

 

HSC・HSPか「発達障害」かではなく、子どもひとり一人を理解すること

 私たちリソースポートでは、HSC・HSP、「発達障害」という点からお子様を理解するのではなく、そのお子様一人ひとりの特徴を理解することを大切にしています。

 HSCのお子様も一人ひとり、特徴が違っていると思います。もちろん、発達障害のお子様もひとり一人特徴が違っています。だからこそ、「HSCだから、○○という対応が良い」と考えるのではなく、「音には特に敏感な傾向があるから、○○という対応が良い」と考えることが大切なのです。

 つまり、HSC・HSPかどうか、「発達障害」かどうかと考えて、この2つを区別して子どもを理解しようとするのではなく、一人ひとりのお子様の特徴を考えることが大切なのです。

 

 

HSC・HSPと区別するべきこと

HSC・HSPと区別して考える方が良いことがあります。それは、持って生まれた特徴ではないものです。例えば、小学校で友達からいじめを受けていたり、先生から厳しい指導を受けていたりして、心理的に大きな負担を受けている場合があります。そういった場合も、刺激に敏感になったり、感情的に揺さぶられやすくなったりすることがあります。HSC・HSPと似た状態に見えることがあるのです。

 

また、今現在の出来事ではなく、過去に体験した辛い出来事の記憶によって心理的に大きな負担が生じているため、刺激に敏感になってしまうこともあります。例えば、数年前に受けたいじめの記憶の影響で、人の大きな声に敏感になってしまうような場合です。この場合も、HSC・HSPと似た状態に見えると思われます。

 

HSC・HSPは持って生まれた特徴ですから、その特徴を生かしたり、その特徴に上手に対処したりすることが基本です。何らかの原因で心に負担がかかっている場合は、その負担を軽減したり、その負担に対処することが基本になります。子どもへのサポートの方向性が違ってくるのです。

 

従って、何らかの心への負担が生じて、HSC・HSPに似た状態になっているのか、生まれ持った特徴がHSC・HSPに近いのかは、区別して考える必要があります。HSC・HSPの特徴に当てはまるから、HSC・HSPだと考えて、お子様をサポートしてしまうと、心に負担がかかっていることを見逃してしまう危険性があるのです。

 

私たちリソースポートは、臨床心理やカウンセリングの専門的な立場から、この2つを区別して捉えられるように注意して支援しております。もちろん、HSC・HSPの特徴があって、さらに、心に負担がかかる出来事があって、余計に辛い状況に陥っている子どもたちもいます。その場合も、HSC・HSPとしてサポートするべき部分と、心の負担に対処することを丁寧に分けて考えることが大切になります。こういった場合ほど、専門的な支援が必要なのです。

  


ここまでお読みいただきありがとうございました。

さらに・・・

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