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中学生の不登校では、カウンセリングは本人?保護者?

 この記事では、中学生の不登校の場合、まず保護者がカウンセリングを受けることをお勧めしています。その理由は、“関わり方の工夫を考えることができる”など3点あります。関わり方がわかると、迷い悩みながらお子様に関わるのではなく、自信を持って安心して関わることができるようになります。

 

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悩む母親

 中学生のお子様を育てている保護者の皆様は、色々と子育ての悩みが多いのではないかと思います。もし、お子様が学校へ行きづらい状態だったり、学校に行ったり行かなかったりする状態だったりすると、さらに子育ての悩みが大きくなるだろうと思います。

 

 お子様が良い方向へと向かうように、カウンセリングを受けたい、受けさせたいと考えることは、ごく自然なことです。また、学校や周囲からも、カウンセリングを受けるように勧められることもあるかもしれません。しかし、カウンセリングを受けた経験がある人は、ごく限られています。体験したことがないにもかかわらず、カウンセリングを受けた方が良いかどうか判断することは難しいものです。どうしたら良いか、本当に迷うことだと思います。 

 

不登校の中学生とカウンセリング

 保護者様が、お子様にカウンセリングを勧めるのは、色々と迷ったうえでのことになると思います。では、欠席が続いているお子様にカウンセリングを勧めてみたらどんな反応が返ってくるでしょうか? 例えば、「学校の欠席が続いているから、カウンセリングを受けてみたら」と勧めたときに、お子様からの反応を想像してみてください。「うん、そうする」といったプラスの反応が返ってくるでしょうか? ほとんどの場合、「別に、いい。」とか曖昧に否定されたり、「なんでだよ!」と逆ギレに近い反応があったりするのではないかと思います。

 そもそも、中学生というのは、思春期の年代ですから、ただでさえ大人に反発する年代です。相談に行って自分からカウンセリングを受けるということは、かなりハードルの高いことだと思われます。実は、中学生の心理に関する研究でも、このことは調べられていて、“中学生はカウンセラーなどの専門家に相談することには抵抗感が強い”という結果が何度も出ています。

 こういった色々な背景があるため、お子様に無理矢理にカウンセリングを受けさせようとして保護者様ががんばっても、なかなか上手くいかないものです。

 

カウンセリングは、子ども?親?

 

不登校の中学生のカウンセリングの意義

 学校へ行く・行かないというのは、お子様自身の問題ですから、お子様がカウンセリングを受けたら良いと考えるのはある意味自然です。また、当然のことですが、お子様本人がカウンセリングを受けるということは、本人にとってプラスになることがたくさんあります。自分自身のことを見つめ直す年代ですし、大人への自立が始まる年代でもあります。そのため、自分のことについてカウンセリングを受けることは、非常に意義のあることだと言えます。

 

中学生にカウンセリングを勧めることが難しい

 しかし、不登校の子どもたちをたくさん支援してきたカウンセラーの立場からは、“まず”保護者様がカウンセリングを受けることをお勧めいたします。理由はたくさんあります。一番大きな理由は、親子関係をより良く保っていくことが大切だからです。中学生の時期は、反抗期の時代ですから、色々と親に反発したり反抗したりするものです。さらに、不登校の状態にあるお子様の場合は、学校へ行く・行かないということでも、色々と保護者様とお子様の摩擦やトラブルが生じてしまうことだと思います。そこに、カウンセリングを受ける・受けないという問題が加わってしまうと、摩擦やトラブルの種が増えてしまいます。そのため、摩擦やトラブルの種を増やさないという意味もあって、お子様がカウンセリングを受けることは“当面は”お勧めしません。

 

親のカウンセリングは意味があるの?

 では保護者様がカウンセリング受けるとしたら、それはどんなカウンセリングになるのでしょうか? 子どもが学校へ行かないのに親がカウンセリングを受けるのは意味があるのでしょうか?

 

親の気持ちの安定 理由1

 まず、保護者様にとっては、家庭での様々な状況を人に話すチャンスそのものが少ないかも知れません。カウンセリングでそういった話をすることで、ストレスの解消につながります。保護者様の気持ちが安定することは、必ずお子様にとってはプラスになります。保護者様にとってプラスになりますし、それが間接的にお子様にもプラスになるのです。

 

関わり方の工夫を考える 理由2

 もう一つの理由は、家庭でのお子様への関わり方や声かけの仕方について、カウンセラーと一緒に工夫を考えることができるからです。例えば、朝起きないときに、どんなふうに声かけをするのかということを、細かく詳しく考えて、具体的なアイディアを考えることができるということです。こういった声かけの方法は、どの子どもにもどの家庭にも当てはまる良い方法があるわけではありません。カウンセリングでは、お子様を朝起こすときの状況を詳しく聞いて、それに応じて、実際にできるアイディアを考えることになります。例えば、声をかけても全く目を覚まさないのか、目は覚ますけれども無視されるのか、目を覚ましていて反応もあるけれども布団から出てこないのか、ということでも状況は全く違います。曜日によって違いがあるかもしれませんし、声をかける人によっても違いがあることも多いと思います。こうったことを詳しく聞くからこそ、実行可能な具体的なアイディアを考えることができるわけです。関わり方が変われば、お子様の反応も変わってきます。それの反応の変化を手がかりにして、また次の関わり方を工夫していくことになります。

 こんなふうに、お子様への関わり方をカウンセラーと一緒に考えて行くことが保護者様のカウンセリングの中心の内容になります。具体的にどうしたら良いかわかるので、保護者様の迷いや悩みも減って、安心して自信を持ってお子様に関わることができるようになると思います。

 

子どものカウンセリングも視野に 理由3

 さらには、お子様をカウンセリングにつなげていくことを視野に入れて、お子様への働きかけ方を考えていくこともできます。上に書いたような声かけの方法を考えることと同じで、どんなふうにカウンセリングに誘ったら良いのかについて、一緒に考えていきます。

 中学生の場合、カウンセラーのことを知っていたり、親しみがある場合には、カウンセラーに相談したいという気持ちが強くなることが研究で明らかになっています。保護者様がカウンセリングを受けている場合には、お子様もカウンセラーの人となりやカウンセリングの様子を、保護者様を通して知ることができます。何をどんなふうにお子様に伝えていくのかをカウンセラーと一緒に考えて行くことで、お子様がカウンセリングを受けやすい状況を作っていくことができます。カウンセリングに前向きになるということは、自分自身の今後に前向きになってくるということです。そのこと自体が本人にプラスの意味があるのです。

 

まとめ

 中学生の不登校の場合、お子様のカウンセリングを第一にすると、摩擦やトラブルの元になる危険性があります。まず保護者様がカウンセリングを受ける方がお勧めです。気持ちが安定するだけではなく、どう関われば良いか具体的な方法がわかります。安心してお子様に関われるようになります。

 

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