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そもそも不登校をどうとらえたら良いか

 不登校の子どもたちは、学校へ行こうとしても行けない状態で苦しんでいることが多いように思います。行きたい気持ちと行きたくない気持ちが心の中で葛藤している状態といえます。

 

 前日の夜には、「明日は学校へ行く」と言っていても、次の日の朝には、起きてこられなかったり、学校へ行こうとしても体が固まってしまって動けなかったりすることがあります。

 こういった状態は、言葉ではプラス面が現れていて、行動ではマイナス面が現れていると理解することができます。

 

 そういう状態をどう考えたらよいのかを表にまとめてみました。

 

  言葉での表現
プラス面 マイナス面
行動での表現 プラス面

「学校へ行きたい」と言って

学校へ通っている

 「学校へ行きたくない」と言って

学校へ通っている

 マイナス面

  「学校へ行きたい」と言って

学校へ通っていない

  「学校へ行きたくない」と言って

学校へ通っていない

 言葉での表現は、プラス面は、「学校へ行きたい」という言葉で代表しましたが、「学校は楽しい」とか「学校へ行こうと思う」などということもあります。マイナス面も、「学校へ行きたくない」だけではなく「学校は嫌だ」とか「学校はキライ」などということもあります。

 

 この表では、不登校の状態は、左下のグリーンの枠に当てはまります。

 

 ところで、心の健康や成長という視点から考えると、【良い状態】は、4つの枠の中のどこに当てはまるでしょうか?

 

 実は、右上の薄オレンジ色の枠が良い状態だと考えられます。

 

学校の教室

愚痴(グチ)が言えるということ

 本当に学校が楽しいことばかりで、不満や不安が全くない状態であれば、左上の枠にあるような状態でもOKだと思います。でも、現実は、色々とつらいことがあったり、悲しいことがあったりすることが普通です。

 

 つらいことや苦しいことがあるときに、心の中には不快な感情が自然と生じてきます。そういった場合に、その不快な感情を押し殺したり、なかったことにしたりして、頑張り続けるというのは、決して心の健康状態が高いとは言えません。

 

 愚痴や弱音を吐きながら現実的にはきちんと行動ができているという状態(右上のオレンジ色の枠)が、良い状態なのです。

 

不登校の状態からの良い変化

 

では、不登校の子どもたちが良い状態へ(右上のオレンジ色の枠)へと変化していけるためには、どうすれば良いでしょうか?

 

 現状は左下のグリーンの枠が当てはまるわけですから、右上のオレンジの枠に変化するためには、言葉も行動も両面が変化していかなくてはなりません。しかし、一度に両方の事を変化させていくことは無理が生じやすいものです。

 

 まずは、言葉がマイナス面を表現するように変わること、つまり、右下の枠の状態に変化することが無理のない変化の筋道だと思います。

 

 「学校へ行きたくない」とか「学校は嫌だ」とか「学校はキライ」などと言えるようになることが大切なのです。

 

 そういったマイナス面を言葉で表現することは、心の中の不快な感情が解消されていくことにつながります。少しずつ学校をめぐる不快な感情が解消できてくると、学校へ向かう行動が出やすくなってくると思われます。

 

不登校の子どもも愚痴や弱音が言えるように

 言葉で言えるようになるためには、大人が、子どものマイナスの言葉を受け止められることが大切です。

 

 子どもが、否定的な言動をした場合に、「そんなことを言ったらダメでしょ」とか「それは我がままだ」などと大人が否定してしまっては、子どもが否定的な気持ちを言葉で言える(愚痴や弱音を言える)ようになりません。

 

 まずは、大人が子どもの気持ちをしっかりと受け止められるような姿勢を持てることが大切です。

 

 そのうえで、子どもが学校へ行きたくないそぶりをしている(つまり、マイナス面が行動で現れている)場合に、「学校イヤなんだよね」などと、言葉でマイナス面が表現されるように促してみることが第一歩です。

 

 子どもはその言葉に反応して、言葉少なく「ウン」などとうなずいたりするだけかもしれません。それでも、大きな一歩です。「そうだよね、つらいことが多いよね」などと応えておくことが大切です。

 

 もっと具体的に生々しくマイナス面が語られてくるようになると、心の中で起きているつらい気持ちや不安な気持ちの解消が進んできていると判断されます。それには、少し時間がかかります。

 

 マイナス面が具体的に詳しく話せるように、少しずつ子どもから話を聞いていくことが大切です。

 

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