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不登校から学校復帰したのにすぐに欠席してしまう

 

しばらく学校の欠席が続いていて不登校だった子どもが、学校へ行くようになっても、すぐにまた欠席してしまうことがよくあります。

 

学校へ行った朝には、多くの保護者様は「良くなった」と思って、安心したかもしれません。しかし、次の日の朝には、お子様が再び学校を欠席するため、保護者様はショックな気持ちになってしまうことと思います。

 

お子様も、学校へ頑張っていったのに、また行けなくなってしまうのはショックですし、無力感を感じてしまうかもしれません。

 

だからこそ、【 学校へ行くようになったのに、すぐに欠席 】という状況は避けられるように工夫することが大切です。

 

すぐに学校を欠席してしまう理由

 

不登校の状態になっている子ども達は、ほとんどの場合「学校へ行いきたい」「学校へ行かなくてはならない」などの【学校へのプラスの気持ち】を持っています。そのため、少し元気になったら学校へ行こうとするのです。

 

しかし、【学校へのプラスの気持ち】とは正反対の気持ちも持っています。「学校へ行きたくない」「学校へ行くのが不安」「学校が怖い」などの【学校へのマイナスの気持ち】です。

 

つまり、子どもたちが「学校へ復帰しよう」「学校へ戻ろう」と動く場合、【学校へのマイナスの気持ち】を抱えたまま、学校へ復帰することになります。そのため、少なからず無理をしてしまうことになります。

 

 

こんなふうに、子どもたちは無理をして学校へ戻る(復帰する)のですが、教室では「普通」「明るい」「楽しい」という雰囲気で過ごしてしまいます。

 

それは、「同級生との関係を回復したい」「教室に適応したい」という気持ちがあるからです。そして、その気持ちが強ければ強いほど、つまり前向きな気持ちが強ければ強いほど、明るく楽しい雰囲気で教室で過ごしてしまいます。

 

つまり、「学校へ行くのが不安」「学校が怖い」などの【学校へのマイナスの気持ち】を押し殺して明るく楽しく振る舞ってしまうのです。

 

無理をして学校へ行っているのに、友達からも先生からも普通の様子だったと思われます。そのギャップも気持ちの負担になってしまうと考えられます。

 

こういったことがあるため、学校へ復帰した1日だけで、心理的な疲労で心がいっぱいになってしまうのです。これが、学校へ復帰してもすぐにまた休んでしまう理由です。

 

学校の教室で微笑む中学生

どんなふうに復帰すれば良いか?

 

まずは、学校へ復帰する前に、無理をしない、心理的な疲労をためないような復帰方法を考えておくことが大切です。

 

そのためには、学校に復帰した日には、早く帰るようにすることが一番良い方法です。早めに帰れば、その分、負担が少なくなります。

 

「病院に行く」などという理由をつけて、午前中だけで帰るのがお勧めです。

 

また、授業には出ないで、部活動だけ参加することも良い方法です。

 

しかし、途中で帰ったり、部活動だけ参加するのはがイヤだという子どもも多いかもしれません。その場合は、金曜日に学校へ復帰することがお勧めです。金曜日に無理をしても、土日が休みですから、少しは心理的な疲労から回復することができる可能性があります。

 

学校へ行った日には、とにかく心理的な疲労を回復することが大切です。そのため、宿題をするよりも、早く寝ることが非常に大切です。

 

学校での活動時間を半分以下にする

 

もし、学校復帰の1日目を乗り切ったら、次からは、学校での活動時間を半分にすることがお勧めです。

 

上に書いたように、午前中だけで帰ることもお勧めです。途中で帰ることが難しければ、1日行ったら次の日は休むのがお勧めです。

 

1週間単位で考えて、学校での活動を半分にすることも良い方法です。例えば、火曜日と金曜日だけ行くことも良い方法です。

 

月曜日から学校に行くと、その週はずっと行かなくてはならないように感じてしまう子どもが多いようです。だから、火曜日に行って、水・木はお休みして、金曜日に学校に行って、土・日・月とお休みするというのは、良い方法だと思います。

 

やってみてから考える

 

どんな方法もやってみるまで良い方法かどうか分かりません。だから、1日学校へ行くことにしたら、行ってみてから、考えることがお勧めです。

 

火・金だけ学校へ行くことをやってみることにしたら、2週間だけやってみることがお勧めです。2週間やった後で、続けるかどうか考えてみます。

 

いつでもどんな時でも、「これからずっと~する」と考えずに、「とりあえず~してみて、それが良いと分かったら続ける」と考えることがお勧めです。もちろん、やってみて良くないと分かったら違う方法を考えるのです。

 

心理的な疲労を回復する

 

学校で無理をして気持ちが疲れたときは、寝ようとしたときにイヤな気持ちが襲ってくるように感じられます。子どもたちは、そのイヤな気持ちから逃れたくて、スマホやゲームに没頭してしまいます。そのため、深夜に寝落ちするまでゲームやスマホを続けてしまうのです。それが昼夜逆転につながります。

 

また、スマホやゲームを長時間やり続けると、脳が疲れて、さらに心理的な疲労がたまってしまいます。上手に心理的な疲労から回復できるように工夫することが必要なのです。

 

心理的な疲労から回復するためには、リラックスと睡眠が一番大切です。学校で無理をして疲れたときは、そのことについて弱音を吐いたり愚痴を言ったりすることがお勧めです。それが、リラックスにつながります。

 

保護者様にできることは、お子様の愚痴や弱音を聴いてあげることなのです。「学校で何があったか?」ではなくて、「どんな気持ち(感情)か?」を聴いてあげる事が大切です。それがリラックスにつながり、良い睡眠につながります。

 

 

まとめ

学校に復帰しようとするときには、学校は半分以下の時間にして、心理的な疲労をためないことが大切です。

そして、心理的な疲労から回復するために、保護者様は愚痴や弱音を聴いてあげます。そして、リラックスして良い睡眠を取ることが心理的な回復には非常に大切です。

 

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