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切り替えができたらほめよう

昔は気持ちを切り替えなくて良かった

 20年前の子ども達はも、現在の子ども達も、楽しいもの面白いものが好きなことには変わりがありません。子どもは、いつまでもテレビを見ていたいし、いつまでも遊んでいたいものです。昔も今も変わりはありません。でも、昔の子ども達は、いつまでもテレビを見ていたり、いつまでも遊んでばかりいるということは少なかったと思います。それは、子ども達が自分を上手にコントロールできたていたわけではありません。

 例えば、どんなにテレビアニメが好きでも、テレビの子ども番組は30分で終わってしまいます。子どもがどんなにわがままでも、自己コントロールができなくても、いつまでもその番組を見続けることはできないのです。自分で切り替えをする必要そのものがありません。昔の子どもの遊びは、そとで友達と遊ぶことが一般的でした。そとで遊んでいても、日が暮れれば、遊びを続けることができません。あたりは真っ暗になって、嫌でも遊びをやめて家に帰らざるを得ないでしょう。やっぱり、切り替えることなんか、全く必要なかったのです。

 

現代社会は切り替えが必要

 最近の子ども達の遊びは昔と全く違っています。子ども達は、例えば、子ども達は昔よりもテレビを見なくなりました。もちろんテレビも見ますが、それよりも、youtubeで動画を見ている子ども達が多いと思います。それから、遊びと言えば、ゲームです。自分専用の携帯ゲーム機を持っていて、それで遊ぶことが多いと思います。

 例えば、youtubeで動画を見ると、右側に関連動画がずらーっと並んでいます。一本一本の動画は短いことが多いですが、そのずらーっと並んだ関連動画は際限なく並んでいて、いくらでも長時間見続けることができます。ちょっとクリックすればいくらでも動画を見ることができるわけです。

 つまり、自然に番組が終わるわけではないので、動画を見るのをやめるには、自分で自分をコントロールして切り替える力が必要になるわけです。

 ゲームをやめる時も同じです、いつまでもゲームは続けられます。どこかでゲームをやめるには、自分で自分をコントロールして切り替えをしなくてはならないのです。

 子ども達の事情について書いてきましたが、大人も全く同じ状況におかれています。上手に切り替えができる人は、自分の時間を上手く活用して色々な活動を楽 しむことができます。しかし、切り替えが上手くできないと、あることに時間をとられてしまって、生活が上手く回らなくなってしまいがちです。

 実は、現代社会を生き抜いていくためには、切り替える力が絶対に必要なのですが、そのことはあまり注目されていないのです。

 

切り替えができたらほめてあげましょう

 大人になっても、切り替える力が必要ですから、子どものうちから、その力を身につけられるように、上手く育ててあげたいものです。切り替えができたら、そこで上手くほめてあげることが大切です。

 例えば、今の遊びをやめて次の遊びに移った時や、「切り替えができて偉いね」などとほめてあげるのです。また、切り替えるチャンスを作ってあげることも大切です。遊びを無理矢理にやめさせるのでは、切り替える力はつきません。上手に次の活動に誘ってあげて、切り替える力を自分が使うチャンスを作ります。例えば、「おやつだから、ゲームをやめて一緒に食べよう」と誘ってあげます。それで少し待ってあげて、自分からゲームをやめておやつを食べに来たら、「切り替えができて偉いね。」とほめてあげるのです。