スクールカウンセラーの役割(ドラマ「明日の約束」から)

井上真央さんがスクールカウンセラー役でフジテレビのドラマ「明日の約束」に主演するということで、話題になっています。

 

「フジテレビのサイトを見てみると、次のような説明が書かれています。

 

主人公の藍沢日向(あいざわひなた)は、高校のスクールカウンセラー。「親でもない、教師でもない、最後に味方になってあげられる大人」として、学校や家庭の問題に悩む生徒の心のケアに生活をささげる。

 

主人公がスクールカウンセラーのドラマですから、個人的には大注目です。面白いドラマになってほしいなぁと思います。

 

先ほどのドラマの説明ですが、これが一般的なスクールカウンセラーへのイメージなのだろうと思います。どうしても、気になることがあるので、指摘しておきます。

 

「親でも、教師でもない、最後に味方になってあげられる大人」がスクールカウンセラーということですが、これは正しいようでいて誤解を招く表現だと思います。

 

味方がいないと思っている子どもがいたときに最初に味方になるのがスクールカウンセラーです。そして、その子どもの心が癒やされてきたり、元気になってきたりすることを通して、そして、周囲の人々との関係をスクールカウンセラーが支えつつその子どもが開いていくことを通して、少しずつ味方(だとその子が思える人)が増えていくのです。そして、最後にはスクールカウンセラーという存在はその子どもの中から自然に小さくなって消えてしまうのが理想です。

 

また、その「明日の約束」では、ある男子生徒の死が重要な焦点となっているようです。「不可解な死を遂げてしまう」「はたして、誰が彼をしなせたのか・・・。」と書かれています。「だれが死なせたのか」という表現は、「殺した」とは違って自殺したという含みがあります。自殺という点で少し気になることがあります。

 

実は、日本では子どもの自殺が多いのです。大人の自殺は減少してきたのですが、ここ数年子どもの自殺は高止まりが続いています。子どもの自殺は、大人の自殺と少し違った特徴があります。マスコミなどの情報の影響を受けやすいこと、大人に比べて短期間で自殺に追い込まれてしまいがちなこと等々です。自殺がセンセーショナルに取り上げられて報道されることによって、影響を受けた自殺が続いてしまう(群発自殺)ことが知られています。ドラマは、報道ではないのですが、自殺の取り上げ方によっては、子どもの自殺を助長することになる危険性があります。

 

どのように自殺を扱えば良いのかについては、「WHO 自殺予防 メディア関係者のための手引き(2008年改訂版日本語版)」というものが出されています。それには、いくつかポイントがまとめられています。

  • 自殺をセンセーショナルに扱わない
  • 当然の行為のように扱わない
  • 問題解決法の一つであるかのように扱わない
  • どこに支援を求めることができるのかということについて情報を提供する

などが挙げられています。

 

ドラマであっても、こういった手引きを参考にして自殺の防止につながるような作品を作っていただきたいなぁと思っています。ドラマが子どもたちの命や人生をより素晴らしいものにして行く一助になるように願っています。