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ミラクルクエスチョンを活用する

 

解決志向アプローチで、非常に重要なことは、「解決像」を明確にしていくことです。その時に役立つ質問がミラクルクエスチョンです。

 解決志向アプローチの技法についてはこちらをご参照ください

 

ミラクルクエスチョン

ミラクルクエスチョンの質問の仕方

 

ミラクルクエスチョンは、典型的な言い方は、次のような言い方になります。

 

あなたが眠っている間に奇跡が起こり、あなたを悩ませていることがすっかり解決してしまっています。目が覚めたときは、どんなふうに目が覚めるでしょうか?

 

以上のように投げかけてみて、相手の答えをよく聴きます。目が覚めてからの1日を、視覚、聴覚など五感をフルに使ってリアルに思い描くことが重要です。

 

さらに重ねて質問して、解決像をより具体的にしていくこともひとつの方法です。

例えば、以下のような質問が役立ちます。

 

どんなことから、すっかり解決してしまったんだと気づくでしょうか?
家族は、あなたのどんな様子から、解決しているんだとわかるでしょうか?

 

 

 ミラクルクエスチョンは、解決志向アプローチの技法の中では、比較的使いづらい質問技法だと言われています。非現実的であったり、唐突な感じを与える質問だからです。「すごく変わった質問をしてみたいのですが」などと前置きをしてから質問することも一つの工夫です。また、この質問は聞かれてすぐに答えられないことも多い質問です。クライエントからすぐに反応が得られなくても、カウンセラーから「自由に想像して下さい」などと粘り強く働きかけることも大切です。

 

 また、質問をする前から少し準備をすることもお勧めです。カウンセリングが終わってから、夜寝るまでのことを思い描けるような質問をして、頭の中に夜寝るまでのイメージを思い浮かべてもらいます。

 

今日は、このあとはどんなスケジュールになっていますか?
晩ご飯は、何時ぐらいになるでしょう?
その後、寝るのは何時ぐらいになりそうですか?

 

などと質問した後で、ミラクルクエスチョンを投げかけてみます。

今晩も○時にいつもように眠りにつきます。でも、今晩だけはいつもと違って、眠っている間に奇跡が起こり、あなたを悩ませていることがすっかり解決してしまっています。目が覚めたときは、どんなふうに目が覚めるでしょうか?

 

こんなふうにすると、自然と「奇跡が起こって」という設定に入っていきやすいように思います。

 

ミラクルクエスチョンの極意

「ブリーフセラピーの極意」(ほんの森出版)では、天才(!)ブリーフセラピストの森俊夫先生がブリーフセラピーの極意を解説してくれています。

 

ミラクルクエスチョンの極意は、【 解決した世界に、ピョーンと飛ばす 】ことなのです。飛ばしてしまうことで、【 解決像 】に至る、筋道や方法論をスキップすることができます。

 

悩んでいるときには、自然と自分自身の考え方を狭めてしまうことが多いため、できるだけ、狭めてしまわないように、【 ピョーンと飛ばす 】ことが大切なのです。

 

飛んでもらった後で、解決像について具体的に詳しく聴いていくのです。

 

日常会話の中で活用する

 

このミラクルクエスチョンは、カウンセリングの中だけではなく、日常会話の中でも活用できます。

 

もちろん、上記のように質問しても良いと思います。

その他にも例えば、以下のような質問の仕方があると思います。

 

もし、何でも最高に上手くいったら、どんなことが起こりそう?

何か、こんなことが起きたら良いのに・・・とか、こんなふうにしてくれたらいいのに・・・・とか、って何か思いつくことある?

 

この質問は、自分が努力したり、自分で解決するという前提を【 ピョーンと飛び越える 】質問です。

 

飛び越えた後で、その時「自分自身はどんなことをしているか」「自分自身は何を考えているか」「自分自身はどんな気持ちか」など、自分自身に焦点を当てて具体的に聴いていきます。

 

【 ピョーンと飛び越えた 】後で、自分自身の思考・感情・行動が具体的になると、自然と【 解決 】に近づいてきます。

 

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