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令和4年度のスクールカウンセラー配置状況

 

 毎年行われている「学校保健統計調査」で、スクールカウンセラーの配置状況が都道府県別に集計され、報告されています。

 スクールカウンセラーは毎日学校で勤務しているわけではありません。しかも、都道府県によってかなり配置状況が違っています。

 学校保険統計調査のデータを分かりやすくまとめてみました。

 

中学校でのスクールカウンセラー配置状況(令和4年度)

スクールカウンセラーは、中学校を中心として配置されていますので、まず中学校でのスクールカウンセラー配置状況を見てみます。

 

全国と茨城県の配置状況を比べると以下の通りです。

中学校でのスクールカウンセラー配置状況の図(令和4年度)
中学校でのスクールカウンセラーの配置状況の表(令和4年度)

 全国的には、中学校の3校に2校でスクールカウンセラーは週に4時間以上の配置となっています。スクールカウンセラーのいない中学校も40校に1校ぐらいあります。スクールカウンセラーの配置時間は、概ね横ばいです。令和4年度は令和3年度に比べて、若干、広く薄くなっています。

 

 茨城県では、スクールカウンセラーのいない中学校はありませんが、全国平均と比べて各学校に配置されている時間数が少ないことが分かります。茨城県の中学校では、令和4年度は少しだけスクールカウンセラーの配置時間が増えていると言えます。ただ、広く薄く配置されている傾向は変わっていません。

 

小学校でのスクールカウンセラー配置状況(令和4年度)

小学校でのスクールカウンセラーの配置状況の図(令和4年度)
小学校でのスクールカウンセラーの配置状況の表(令和4年度)

全国的には、9割を越える小学校にスクールカウンセラーが配置されています。しかし、週に4時間よりも少ない配置の割合が約4割です。スクールカウンセラーが小学校にいるのは月に1回程度ということが一般的ではないかと思われます。令和3年度と令和4年度を比べても、ほとんど変化はありません。

 

茨城県では、スクールカウンセラーのいない小学校はありませんが、全国平均と比べると、週4時間未満での配置の割合が多くなっています。令和3年度と令和4年度を比べると不定期配置が減って、週4時間未満の定期配置が増加しています。

 

高等学校でのスクールカウンセラー配置状況(令和4年度)

高校でのスクールカウンセラーの配置状況の図(令和4年度)
高校でのスクールカウンセラーの配置状況の表(令和4年度)

 全国的には、高等学校の約9割以上にスクールカウンセラーが配置されています。週4時間以上の配置の高校が40%を越えています。4時間未満も30%程度、不定期配置も20%程度ありますので、高校では学校によってスクールカウンセラーの配置時間がまちまちだと言えます。令和3年度と令和4年度では、ほとんど変化がありません。

 

 茨城県では、全ての高校にスクールカウンセラーが配置されています。ただ、全国平均と比べると配置時間が週4時間未満の学校が多くなっています。

 

スクールカウンセラー配置状況の都道府県ランキング

 スクールカウンセラーの配置は、小学校、中学校、高校で状況が違います。学校での配置時間も様々で、週4時間以上の配置、週4時間未満、不定期と分けられて割合が出ています。そのため、都道府県の配置状況の違いを比べることが難しいと思います。

 

 そこで、点数化してみることにしました。

 4時間以上の配置を5点

 4時間未満の配置を3点

 不定期配置を1点

 としました。

全ての学校で週に4時間以上の配置の場合が満点で、5点となります。通知表の5段階評価をイメージしていただけるとわかりやすいと思います。

また、この得点からスクールカウンセラーが毎週何時間学校で勤務しているかを大まかに捉えることができます。

例えば、4点の場合は、その県のスクールカウンセラーを小中高をおしなべて捉えると週に4時間学校で活動してると捉えられます。

 

なお、週に8時間の勤務も週に26時間の勤務も同じ5点として計算されます。そのため、5点に近い得点の場合は、週の勤務時間はもっと多い学校もあると考えられます。

 

ちなみに、茨城県は【3.08点】で、5段階の3です。全国で第26位のスクールカウンセラー配置状況でした。なお、令和3年度は【2.95点】で全国で第34位のスクールカウンセラー配置状況でした。

 

スクールカウンセラーの配置状況の都道府県ランキング(令和4年度)

 

この記事の執筆

半田一郎(公認心理師・臨床心理士・学校心理士スーパーバイザー)

更新日:

 

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