· 

発達障害を持つ人が主人公のドラマ

 フジテレビ『グッドドクター』NHK『透明なゆりかご』と、発達障害を持つ人が主人公のドラマが放送されました。高い人気と評価を得て、放送が終わりました。

 

 

 

主人公は、自閉スペクトラム症

 『グッドドクタ』ーの主人公の新堂湊は、「自閉症スペクトラム障がいながら、驚異的な記憶力を持つサヴァン症候群の青年」(公式サイト)とのことです。

 

 『透明なゆりかご』の主人公の青田アオイも、おそらく自閉症スペクトラム障害です。ここで、おそらく自閉症スペクトラム障害と書いたのは、理由があります。このドラマは、原作者の沖田×華さんの自伝的マンガが原作です。沖田×華さんは、『毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で』という作品を書かれていて、「アスペルガー症候群」という診断を持っていることを公表されています。アスペルガー症候群というのは、少し古い診断名で、現在は、「自閉スペクトラム症」という診断名に含まれるようになりました。

 

 なお、「自閉症スペクトラム障害」と「自閉スペクトラム症」は基本的に同じなのですが、最近は「障害」ではなく「症」という表現が使われるようになりました。

 

 つまり、『グッドドクター』と『透明なゆりかご』という2つのドラマの主人公は、同じ診断「自閉スペクトラム症」なのです。

 

 ところで、『500ページの夢の束』という映画が9月7日から日本でも公開されています。この映画の主人公のウェンディも「自閉症」(公式サイト)です。なお、「自閉症」も「自閉スペクトラム症」の中に含まれます。

 

 奇しくも、2018年の9月に放映・放送されている、2つのテレビドラマ、1つの映画の主人公が、「自閉スペクトラム症」なのです。

 

主人公が自閉スペクトラム症であること

 どの作品も、主人公が大変魅力的な、人間味あふれる人物でした。主人公はそれぞれ違った個性を持っていますが、それが魅力的な人間味につながっているように感じます。

 

 ところで、私は、「自閉スペクトラム症」を持つ人たちと関わった経験がたくさんありますが、どの方にも、接する中で魅力を感じてきました。個人的な感想ですが、「自閉スペクトラム症」を持つ人たちは、心がむき出しのように感じます。

 

 「自閉スペクトラム症」ではない人たちは、自然に心を何重にもガードしていて、外界からの刺激、他の人からの働きかけによって、心が揺さぶられ(過ぎ)ないようにしています。

 

 「自閉スペクトラム症」を持つ人たちは、その心のガードがないため、ちょっとした刺激や人からの働きかけが、心の中までダイレクトに入って行ってしまい、混乱したりつらい思いをしたりしてしまうように私には見えます。また、心の中のちょっとした動きが外までダイレクトに現れてきているように私には感じられます。こんなふうに、心のガードがないという意味で心がむき出しと私には感じられるのです。

 

 

 ドラマの中では、そういうむき出しの心を持つ主人公たちから、すべての人が本来持っている(持っていた)素晴らしい部分が立ち現れてくるのだと思います。

 

 ドラマの中で、主人公と取り巻く人たちが、「自閉スペクトラム症」を持つ主人公からたくさんの事を学んだように、私たちも「自閉スペクトラム症」を持つ人たちからたくさんの事を学んでいくことができるのではないかと思います。

 

 

 

 

沖田×華さんについては、以下の記事もお読みください。

 沖田×華さんの講演会に行ってきました

 

発達障害かもしれないとご心配の場合には、次の記事もお読みください。

 お子様が発達障害かもしれないとご心配な保護者様へ