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登校しぶりから良い変化につながる3つの大切なこと

この記事では、登校しぶりが続いている子どもへの良い関わり方や対応について、解説します。登校しぶりが続いていると、保護者も迷いや悩みが深くなって、保護者自身がつらくなってしまうと思います。迷いながら、悩みながら子どもに関わることを抜け出すために、3つの大切なことをお伝えします。その3つの大切なことを続けることで、子どもにも良い変化が生じてきます。

登校しぶりとは

 「登校しぶり」とは何でしょうか? 学校をずっと休んでいるわけではなくて、遅刻がちだったり、欠席がちだったりする場合に「登校しぶり」と呼ばれることが多いようです。学校へ登校した日も、すんなり登校できたわけではなく、なかなか起きられなかったりして遅刻ギリギリになって学校に登校したりすることもあります。登校の準備がすっかりできて、靴まで履いているのに、なかなか玄関から出られずに時間ばかり過ぎてしまうこともあります。そういう時は、親が車で送っていってなんとか登校できたということも多いかもしれません。

 

登校しぶりは、親もつらい

 登校しぶりは、学校へ行けるか、行けないかという境目のところにいる状況だと言えます。親が「登校しぶりにどう対応したら良いだろうか?」などと悩んでしまうのも自然です。親としては、何とか頑張らせれば学校へ行けるかもしれないと思うものです。子どもが登校できるように、一生懸命に子どもに働きかけることが多いと思います。しかし、毎日のように、学校へ行けそう・行けなさそうという状態が繰り返されると、親も心理的に消耗してしまうものです。

 

登校しぶりは働きかけの工夫が必要

 親が疲れ切ってしまうと、子どもにも悪影響が出てきます。疲れ切ってしまうような関わり方ではなくて、良い循環が生じてくる関わり方が大切です。そのためには、子どものへの働きかけ方の工夫が必要なのです。

 この記事では、「登校しぶりから良い変化につながる3つの大切なこと」をご紹介いたします。

 

この記事にはこんなことが書かれています

・学校のことについてたくさん話す

 重要ではない話をたくさんする

 親自身の子どもの頃の学校の話をする

 楽しく話す

・イヤな気持ちを言葉で言えるように助ける

 イヤな気持ちが症状や行動として表に出てくる

 イヤな気持ちは言葉に出すと心が整理されてくる

 イヤな気持ちを言えるように助ける

・リラックスさせる

 意外とリラックスできていません

 緊張が続くと睡眠に影響が出ます

 脳が元気に働くためには睡眠が必要です

 リラックスさせるためには

 

学校へ行きづらい

 

学校のことについてたくさん話す

 

 登校しぶりの状態の子どもたちは、なかなか学校の話ができないことが多いと思います。親も子どもを追い詰めないように学校のことはあまり触れないようにすることも多いと思います。しかし、学校へなかなか行けないということが、登校しぶりということの重要なポイントですから学校のことについて子どもと話をできることは大切なことです。

重要ではない話をたくさんする

 一つのポイントは、たくさん話すということです。たくさんのコミュニケーションの中に重要ではない内容についてのやりとりから、重要なことについてのやりとりまで幅広く含まれているのが自然なコミュニケーションです。重要なことだけを話すことはかなり難しいですし、無理があります。つまり、学校のことをたくさん話す中で、登校しぶりから良い方向へ向かっていくための重要な話題が自然に含まれてくるのです。大切な話をすることだけを考えるのではなく、学校のことをいろいろと話すということが重要なのです。具体的に考えると、「明日学校へ行くかどうか」「なぜ学校へ行きづらいのか」「この先の学校のことをどう考えているか」という重要な内容を話そうとするよりも、「好きな給食のメニュー」「教室で飼っている金魚のこと」「去年の運動会の話」「担任の先生のクセ」など重要ではない内容をたくさん話すことが大切です。

 

親自身の子どもの頃の学校の話をする

 しかし、実際、そういう話題を投げかけても子どもが反応してこないということは良くあることのようです。「今日の給食どうだった?」などと聞いてみても、「普通・・・」などという返事しかかえってこず、話が続かないということは良くあることです。お勧めは、親自身の子どもの頃の学校の話をすることです。子どもは意外と親のことを知りません。そして、ほとんどの場合、親のことを知りたがっています。子どもの頃の学校の話をすると意外と聞きたがります。「急に思い出したんだけど、お母さんは、小学校の頃に〇〇があって・・・・」などと話せばOKだと思います。自分と子どもを比べてお説教をするような話では逆効果です。親自身の失敗談とかおもしろ話が一番良いと思います。

 

楽しく話す

 学校のことについてたくさん話すときに一番大切なことは、楽しく話すことです。何かを理解させることよりも、意味のあることを考えさせることよりも、楽しく話すことが大切です。「パブロフの犬」と呼ばれる有名な実験を知っているでしょうか? 元々関係ないものでも同時に生じると、脳の中で結びついてしまうという実験です。学校のことを楽しく話すことができたら、学校と楽しい気分が少しずつ結びついてきます。それが上手くいくと、学校のことを考えると、楽しくなるということが生じてきます。反対に、学校のことを話したときに不安な気持ちが生じてくると、学校と不安がどんどん結びついてくるわけです。そうなると、登校しぶりはさらに助長されてしまう可能性があります。学校について楽しく話すことが、学校との心の距離を近づけてくれます。

 

イヤな気持ちを言葉で言えるように助ける

 

 親自身の子どもの頃の学校での失敗談を話しているときに、もし、子どもから「(お母さんの学校は楽しそうだけど)僕の学校は全然楽しくない」などと言われたら、非常に良い展開です。そういう場合だけではなくて、どんな場面であっても、学校についてのイヤな気持ちが言葉で出てくることは非常に良いことです。

 

イヤな気持ちが症状や行動として表に出てくる

 登校しぶりの状態にある子どもは、学校に不安や心配を持っていることも多いと思われます。学校でつらい思いや苦しい思いをしているかもしれません。そういったイヤな気持ちが、頭痛や腹痛などの症状に出てきたり、体が固まって動けなくなったりする行動に出てきたりしていると考えられます。そういったイヤな気持ちを心の中に押し込めてしまっていると、心の中で整理できなくなって、症状や行動に出てくるのです。

 

イヤな気持ちは言葉に出すと心が整理されてくる

 イヤな気持ちは、言葉として声に出すだけで、心が少しだけ軽くなります。きちんとした研究や実験で確かめられています。脳科学的にも、イヤな感情を言葉にする過程で脳の中でそのイヤな感情が処理されていくと考えられます。言葉に出すときのポイントは気持ちそのものを言葉に出すことです。「悲しい」「くやしい」「つらい」「さびしい」「イライラする」などなどです。

 

イヤな気持ちを言えるように助ける

 つまり、子どもが自分から、「悲しい」「イライラする」などと言ってくれれば、それは良い展開です。しかし、そもそも自分自身の気持ちが自分でわかっていない子どももいます。わかっていても、声に出せない(言えない)子どももいます。そのため、上手く言葉に出せるように少し助けてあげることも大切です。例えば、学校へ行きづらそうにしているときに「どんな気持ちなの?」と聞いてみるのはひとつの方法です。しかし、そう聞かれて、すぐに「悲しい気持ち」などと答えられる子どもは少ないと思われます(もちろん、答えられるのは良いことです)。「うーん・・・」などと言って、そのままになってしまうことも多いと思います。むしろ、「なんか苦しくなるね」などと具体的な気持ちを投げかけてみることがお勧めです。少しうなずいて同意してくれたり、少し首を振って否定してくれたりします。本当は、声に出して言ってくれるのが一番良いのですが、スタートとしては、返事をしてくれて一歩進むことができたと言えます。「今日みたいに苦しいときは苦しいって言ってね」などと言葉にすることを促しておきたいと思います。また、否定してしまうと、気持ちを言葉にして言うことを妨げてしまいます。その気持ちに、寄り添うように「そうだよね苦しいよね」と声をかけてあげると良いと思います。

 

リラックスさせる

 

意外とリラックスできていません

  リラックスできている状態というのは、緊張している状態の反対です。緊張している状態というのは、自由に動けない状態です。重要な会議やあったときなどは、どこかに何かをぶつけたり、口が上手く回らなかったりなど、いつもはできることでミスをすることもあると思います。緊張すると、自由に動けなくなるのです。

  お家での子どもたちの過ごし方はどうでしょう? ずっとゲームをしていて、「のんびりしているなぁ」と見えることは多いかもしれません。そんなとき、ちょっとした合間に学校のことを投げかけるとどうでしょうか? 学校のことにも、すんなり反応して、自分なりの考えや意見を返してくるでしょうか? 黙り込んだまま反応しなかったり、別の場所へ行ってしまったりすることが多いかもしれません。つまり、学校のことを突然投げかけられたときに、自由に反応できていないのです。この場合、リラックスできていない(つまり緊張している)状態だと考えられます。

 

緊張が続くと睡眠に影響が出ます

 リラックスできていない状態(緊張状態)にあると、一番影響が出るのは睡眠です。寝付き悪くなったり、睡眠が浅くなって夜中に目を覚ましてしまったり、朝早く目が覚めたりします。小さな子どもの場合は、「夜驚」といって、夜中に急に目を覚まして大声で何か言ってきたり、起き上がたりする症状が出ることもあります。こんなふうに、量的に足りなくなることもありますし、質が低下する場合もあります。医学的には、9時には寝付いて小学生で10時間から11時間、中学生で9時間程度の睡眠時間が必要だということです。

 

脳が元気に働くためには睡眠が必要です。

 夜眠っている間に、脳が休まって、次の朝に脳が元気に働けるようになります。その睡眠が足りなくなると、機嫌が悪くなったり、落ち込みが強くなったり、やる気が起きなくなったりします。登校しぶりの状態にある子どもの場合、前の日に睡眠がしっかりとれていない状況の場合、登校へのハードルが高くなってしまいます。夜しっかりと寝て、朝早めの時間に自然に目がスッキリと覚めるという状態になると、良い方向へ変化していける可能性が高くなると言えます。

 つまり、夕方から少しずつ心がリラックスしてきて、夜になって自然に眠くなって、早めに就寝することが大切です。9時になって、寝るようにきつく言って寝させるというのでは、リラックスできていませんから、なかなか眠ることができません。夕方から少しずつリラックスできるように促していくことが大切なのです。

 

リラックスさせるためには

 リラックスさせるには、興奮させるような刺激を少なくすることが大切です。テレビやゲームは基本的に興奮させますので、最小限度にとどめることが良いと思われます。できれば、リラックスを促すような習慣を取り入れると良いと思います。ストレッチは、筋肉を緩めることができるので、心のリラックスにもつながります。子どもと一緒に親もストレッチするのが良いと思います。またマッサージもリラックスには効果があります。足裏のマッサージをしてあげたり、肩のマッサージをしてあげるのも良いと思います。子どもが嫌がる場合には、親のマッサージをさせることも少しは効果があります。また金魚運動をやってあげることも非常に効果があります。子どもが上向きに寝ころがった状態で、子どもの足を大人が少し持ち上げて、左右にリズミカルに揺さぶってあげるという運動です。左右に揺さぶってもらえるのは非常に心地よくて、かなりリラックスします。眠くなることもありますので、寝る直前にやってあげることがお勧めです。

 

 家庭での子どものサポートには細かな声かけの工夫や関わりかたのアイディが必要です。リソースポートでは、不登校や登校しぶりのお子さまについてご相談を承っております。

 

 「不登校の対応の仕方」「登校しぶりの対応の仕方」について悩んでいる保護者の方も多いと思います。不登校や登校しぶりは、子どもが自分なりに成長しようとしているひとつの姿です。だからこそ、「対応」よりも、かかわることや、働きかけることを大切に考えてみました。

 

 

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