学校では先生方が子どもたちに「人の気持ちを考えなさい」と指導している場面をよく見かけます。もちろん、「人の気持ちを考えること」は、大切なことで、先生の指導は意味があることだと思います。
反面、私が出会う子どもたちの中には、自分の気持ちを聞かれても、うまく答えられない子どもが多いように思います。そういう子に、「人の気持ちを考えなさい」と指導しても、良い変化につながらないように思います。自分の気持ちが分からないのに、人の気持ちを考えることは、かなり難しいことではないかと思います。
特に、カウンセラーという立場で出会う子どもたちの中には、マイナスの感情に苦しめられ、振り回されている子どもたちがいます。マイナスの感情が生じる背景や状況に目が向きがちなのですが、感情そのものとうまく付き合っていけるようになることも非常に大切だと思います。
子どもたちが、自分の心の中に色々な感情が生じている事に気づこと、そして、その感情とうまく付き合うことは、子どもたちが日々を楽しく快適に生活するためには非常に大切だと思います。
そういったことに、役立つ絵本を紹介します。
それは『こころキャラ図鑑「感情」と友だちになろう』という本です。
こころキャラ図鑑「感情」と友だちになろう
「こころキャラ図鑑」では、28種類の感情がキャラクター化されて可愛いイラストたっぷりの図鑑になって解説されています。これを読むだけで、楽しく自分の感情に目を向けることができます。
子どもたちも、自分の中に色々な感情が生じていることに気づきやすいと思います。
また、本の中では、そのキャラクター(感情)について、「関係のある言葉」「どんな時に出てくるか」「ライトサイド」「ダークサイド」といった項目が設けられていて、分かりやすく解説されています。
基本的にはどんな感情にも良い面(ライトサイド)と悪い面(ダークサイド)があることについて、分かりやすく説明されています。それが、その感情に振り回されず、うまく付き合っていけるようになることに役立つように思います。
一般的に、ネガティブな感情が生じた時に、ただ単に態度や行動に出るだけの場合には、それによって次の問題につながりがちです。この絵本を通して感情について学ぶと、様々な感情がキャラクターにつながり、さらに言葉につながります。態度や行動ではなく、言葉で自分の気持ちや感情を人に伝えられるようになることも期待できると思います。
また、自分の気持ちが分かるようになるからこそ、人の気持ちを思いやることもできるようになると考えられます。
親子のコミュニケーションにも活かせます
大人もしっかりとこの図鑑を読んで子どもに負けないように理解することが大切です。
子どもとの会話の中で、この絵本のキャラクターを使って「オコルジョが大暴れしてたね」「パパは、カナシイラがでてきちゃったよ」などとお話しすることも良いと思います。
一家に一冊の必携書です
こんなふうに、小学生の子どもたちにとっては非常に役立つ絵本ではないかと思います。小学生の子どもがいるご家庭では、一家に一冊の必携書ではないかと思います。
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