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災害に遭った子どもの心のケア

 2018年7月10日より、月1回のペースでメールマガジンを発行しております。

 開始から半年以上が経過しましたので、バックナンバーを毎月1号ずつ公開していこうと思います。

 

 今回は、2018年9月10日に発行した第3号の内容です。

 

 

メールマガジン

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◆ 子育てカウンセリング・リソースポート ◆

 ☆☆☆ 子どもが育つ、自分が育つ ☆☆☆

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第3回 災害に遭った子どもの心のケア

 

メールマガジンを読んでくださっている皆様

 

メールを開封してくださってありがとうございます。

子育てカウンセリング・リソースポートの半田一郎です。

 

最近、立て続けに台風と地震がありました。

多くの人が被災され、

避難生活を余儀なくされている方も

大勢いらっしゃいます。

 

少しずつでも回復していけることを祈るばかりです。

 

そういったこともあって、

今回は「災害に遭った子どもの心のケア」についてお話しします。

 

自然災害は避けることが難しいのですが、

その被害を小さくすることはある程度可能です。

 

災害の中でも、子どもたちの心の健康を守ることについて

少しだけご紹介いたします。

 

■:目次 

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・被災して数日間の心の反応

・気になる遊びをすることがあります

・人知れず自責の念を持っていることがあります

 

 

■: 被災して数日間の心の反応

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災害に遭うと、お子様の心には様々な反応が現れます。

 

まず、直後には、ショックを受けて混乱した状態になります。

そして翌日から数日間は、様々なストレス反応が出てきます。

 

眠れない、頭が痛い・お腹が痛いなどの身体の反応であったり

悲しい・怖い・不安などの気持ちの反応であったり、

イライラする、落ち着かないなどの行動であったりします。

 

反対に、すごく元気になったり、手伝いをがんばったり

心理的な活動性が高まる場合もあります。

 

このような直後から数日間の反応は、自然な反応です。

災害という通常ではない状態に遭遇したわけですから、

子どもたちも、通常の心の状態とは違った状態になるのです。

それが自然なのです。

 

こういった期間は、少しの時間でも良いので、

リラックスし安心できる時間を確保することが大切です。

 

スキンシップを多くとったり、

お子様と一緒にちょっとお菓子を食べたり

一緒の時間を数分間でも確保してあげることが

お子様の心の安定につながります。

 

■: 気になる遊びをすることがあります

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ある程度時間がたってくると、

子どもたちは災害に関係した遊びをすることがあります。

 

例えば、地震で被災した子どもたちは、「地震ごっこ」

をすることがあります。

 

「地震だ!」と言いながら物を揺さぶったり、

積み木をわざと崩して遊んだりすることがあります。

 

こういう場合には、その遊びをやめさせるのではなく、

「あー怖かった」「怖かったね」などと

気持ちを言葉で言ってあげるのが良い対応です。

 

子どもは言葉で表現する力が不十分なので、

遊びを通して心を表現して、心の整理をしていくのです。

 

■: 人知れず自責の念を持っていることがあります

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被害が大きかったり、心へのインパクトが強かった場合には、

子どもたちが、「自分のせい」だと自分を責めていることがあります。

 

子どもは、論理的な思考が十分にできませんので、

自分を中心にして物事をとらえていきます。

 

良いことが起きると、「自分が良い子だから」と

とらえるのと反対のことが起きるわけです。

 

通常は、幼児期の子どもたちによく見られます。

災害に被災しているという特別な状況の場合は、

心が上手く働かないため、もっと年齢の高い子どもたちにも見られます。

 

「つらいことがいっぱい起きたけど、〇〇ちゃんは悪くないよ」とか、

「災害でみんな大変だけど、誰も悪くないんだよ」などと

お子様に説明してあげることも大切です。

 

話はそれますが、災害の時だけではなく、死別や離婚、予期せぬ引っ越しなど

環境が大きく変化するときにも、同じようなことが起きがちです。

 

「〇〇ちゃんは、悪くないよ」と教えてあげることが大切です。

 

 

■:最後に

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日常生活が回復して1週間以上たっても、

元気がないとか、不安が強いようだとか、

お子様の様子が気になる場合には、

 

身近な小児科の先生やスクールカウンセラーに

相談してみることをお勧めいたします。

 

今回は、9月1日の「防災の日」に関連して、情報を提供いたしました。

 

災害に備えて、防災グッズなどを各ご家庭で準備されていると思います。

 

子どもたちの心のケアについても、

事前に知識があると、被害を小さくすることに役立つ面があると思います。

 

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