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現代を生き抜くため、弱音を言った時、子どもをほめよう。

 この記事では、弱音を吐けるように育てることが大切だということを解説します。例えば、ある日突然、「学校へ行きたくない」などと子どもから言われたら、親としては非常に驚きますし、不安になってどうしたら良いかわからなくなってしまいますね。しかし、「学校へ行きたくない」などと、自分のイヤな気持ちや不安を親に話したり、家族に弱音を吐くことができることは、現代社会で生きていくためには、大きなプラス面があります。そのことを子育て中のお母さん・お父さんにお伝えしたくて記事を書きました。

 

この記事の目次

 

 

若者が現代社会の中で直面しているリスク

 NHKスペシャル「#失踪 若者行方不明3万人」という番組が2018年4月7日に放送されました。

 

 番組では、失踪する若者の実態を紹介していました。10代、20代の若者の失踪者が年間3万人を超えているそうです。そういった若者たちは、SNS上に「裏アカウント(裏アカ)」をいくつも持ち、親や友達さえも知らない“匿名”で「本当の自分」をさらけ出し、見ず知らずの人間と簡単に接点をもっていくようです。SNSのつながりを通して犯罪に巻き込まれるリスクに直面しているのですが、家族などの身近な大人はなかなか彼らまで手が届かない状況になってしまうことがわかりました。

 

 思春期から大人の入り口にかけて、色々と悩んだりすることが自然なのですが、それをなかなか親や家族、友だちに打ち明けられず、SNSにつぶやいたりすることで一時的に発散する若者たちが多いようです。そのつぶやきを悪意のある大人が見つけて、相談に乗ってあげているようなスタンスを取ることもあるわけです。そして、チャンスがあれば、悪意からその若者を誘い出して、犯罪に巻き込んでいくということが見えないところで進行しているわけです。

 

 

 小学生のお母さん・お父さんたちは、きっとこういった若者を巡る現代社会の実情には不安を感じることと思います。でも、同時に「うちの子は小学生だから、まだまだ関係ない話」と、身近な問題ではないと感じるかもしれません。現実的には、中学生や高校生になると、大人の目の届かない世界を持つようになりますので、その年代から親が対策を考えても難しい部分があります。小学生の年代だからこそ、親にできることがたくさんあるのです。

 

泣いている子ども

 

良い子ほど弱音が言えない

 

 どんな親でも、我が子を大切に育てていると思います。得意なことを伸ばしてあげたい、社会で活躍できるように色々な力を身につけさせてあげたい、そのためには、勉強も習い事も頑張らせたいなどと思うものです。親としてのごく自然な気持ちだと思います。

 子どもも親のそういった気持ちに応えたいと思います。子どもにとっては親は本当に大切な存在ですから、親に認められること、親が喜ぶことに子どもも頑張るものです。親の期待に応えられる良い子ほど、親を悲しませたり、ガッカリさせたりするようなことは避けるようになります。良い子ほど、つらくても苦しくても、親には弱音が言えないようになりがちです。

 

弱音を言えることが大切

 

 今のお父さん、お母さんたちが、子どもの頃は、まだSNSは普及していませんでした。その頃の子どもたちは、親に言えない弱音は、大好きなペットに話したり、大切なぬいぐるみに打ち明けたり、日記にコッソリ書き留めたり、紙の切れ端に殴り書きして丸めて捨てたりしていたかもしれません。今の子どもたちがSNSに弱音やつらい気持ちを書き込むのは、そういったことと全く同じです。でも、現代社会のSNSの先には、悪意を持った大人がいます。ぬいぐるみは決して子どもを犯罪に利用したりしませんが、悪意を持った大人は、そのチャンスをうかがっているのです。

 つまり、身近な人に弱音を言えることは昔に比べて重要性が非常に大きくなっているのです。

 

弱音が言えるようになるためには

 

 弱音が言えるようになるためには、「困ったことがあったら言うんだよ」などと、常日頃から子どもに話しておくことは大切です。しかし、何でもそうですが、親が言ったから子どもがそんなふうにできるわけではありません。親が言った事を子どもができた時にはほめてあげることが大切です。つまり、子どもが弱音を言ってきたときに、「ちゃんとつらい気持ちが言えたのがすごいね」「悩んでいることが話せるのは、素晴らしいことだよ」などと、子どもをほめることが大切です。こういう実体験を通して、弱音が言えるようになってきます。

 

弱音ばかり言うような弱い子どもに育つのでは?

 

 弱音を言うことをほめると、ちょっとしたことで弱音を吐くような弱い子どもに育ってしまうのではないかと心配の方も多いと思います。しかし、この心配は、脳科学的に否定されています。弱音を吐かない状態というのは、脳が常に戦闘モードになっているということです。人間の脳には戦闘モードになる仕組みがありますが、それは外敵から身を守る時などの一時的な危機回避のための仕組みです。外敵がいなくなれば、リラックスモードになって、脳と体を休ませて、次にそなえる力を蓄えるわけです。もし、弱音を吐かないとしたら、常に外敵に備えて戦闘モードになっているわけですので、心身の消耗が大きくなります。ある日突然、心も体も動けなくなってしまう可能性があります。

 また、弱音を言うことは、ストレスの記憶を脳の言語中枢を使って処理していくことになります。ストレスの記憶を脳が処理できない場合(弱音を言わない場合)は、そのストレスによって脳に負担が掛かり続けます。脳の色々な部位を使ってストレスを処理していくことで、脳の健康(こころの健康)が高まるのです。

 つまり、弱音を言いつつ、次の場面で努力することが、本当の意味で強い心を持っているということです。子どもが弱音を言えたことだけをほめる親はいないと思います。頑張ったことは、どんな人もほめていることだと思います。弱音を言えることも、頑張ることも、両方が子どもの成長につながっています。どちらも、親がほめてあげることで子どもが健康に育っていきます。

 

まとめ

 現代の社会では、子どもが弱音を身近な大人に言えることが大切です。そのためには、「学校へ行きたくない」など弱音を言えたときに、「ちゃんとつらい気持ちが言えたのがすごいね」「悩んでいることが話せるのは、素晴らしいことだよ」などと、子どもをほめることが大切です。弱音を言うことは、ストレスの記憶を脳が処理していくことになって、脳とこころの健康が高まります。

 

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