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保護者もスクールカウンセラーに相談を

2023年2月4日更新

2017年10月12日公開

保護者の相談

 この記事は、保護者がスクールカウンセラーに相談する方法やコツを説明した記事です。子育ては、色々と悩んだり困ったりすることが多いものです。ちょっと相談するだけで、悩みや迷いが解消する場合もあります。ぜひ、保護者の皆様にもスクールカウンセラーを上手に活用してほしいと思います。

 

スクールカウンセラーとは

 スクールカウンセラーは、小中高等学校などで、活動している心理の専門職カウンセラーのことです。公立小中学校のほとんどの学校に配置されています。その多くは、週に1日程度の非常勤の職員です。学校の先生ではなく、カウンセリングに関する専門性を持っている専門職として位置づけられています。スクールカウンセラーの大半は、臨床心理士の資格を持っています。学校心理士や臨床発達心理師などの資格をもっている場合もあります。ところで平成29年10月15日に公認心理師についての法律が施行されました。平成31年には、国資格である公認心理師が誕生しましたので、公認心理師の資格を持っているスクールカウンセラーも増えています。

 なお、学校では色々な立場の人が仕事をしています。学校からスクールカウンセラーとして紹介された人が心理の専門職ではない場合もあります。もし、利用する際に気になる場合には、「公認心理師などの資格をおもちなんですか?」と確認してみることも良いと思います。

 

保護者もスクールカウンセラーに相談できます

 スクールカウンセラーは学校にいるカウンセラーなので、子どもたちの相談先だと思っている保護者の方も多いかもしれません。当然のことですが、子どもたちのカウンセリングも行っていますが、保護者の皆さんからの相談も大切な活動の一つです。スクールカウンセラーの活動についてのガイドラインもありますが、そこにもきちんと保護者との相談が書かれているので、保護者との相談は全く問題がありません。

 

スクールカウンセラーに相談できる内容

 保護者としての立場から子育てで困ってしまっていたり、悩んでいたりする場合には、スクールカウンセラーに相談できます。例えば、学校に行くのを嫌がっているとか、友だちとのことでトラブルになって子どもが困っている、学校の勉強について行けないようだ、落ち着きがなくて困っている、などです。また、担任の先生と上手くいかないとかトラブルになっているなどのことでも相談できます。

 

スクールカウンセラーに相談の申込みをするには

 保護者の皆さんからのスクールカウンセラーへの相談申込み方法は、各学校から発行されている学校便りなどで案内されていると思います。実際上、担任の先生や保健の先生、教頭先生などスクールカウンセラーの担当者が決まっていますので、その先生を通して申込みをするようになっていることがほとんどです。思い立ったときに、すぐに学校に電話して「スクールカウンセラーに相談したいのですが・・・」と話せば、学校の方で対応してくれるはずです。担当者が不在でわからなかったりすることも多いのですが、その場合は可能な日程を確認してから、折り返しの連絡をもらえると思います。

 なお、スクールカウンセラーは週1日の勤務ですし、勤務している日は相談をしていることがほとんどなので、スクールカウンセラーに直接、申込みをすることはかなり難しいと思います。

 

スクールカウンセラーと相談するときのコツ

 スクールカウンセラーに相談するときには何か気をつけたり準備したりすることはあるでしょうか? 実際上は、特に気をつけたり準備したりする必要はありません。しかし、相談のコツが分かっている方が相談しやすいと思う方もいらっしゃると思うので、4つのポイントだけお伝えします。

 

子どものことをスクールカウンセラーが知らなくてもOK

 スクールカウンセラーが子どもの実際の様子を知らないと相談しても上手く相談が進まないと思っている方も多いかもしれません。もちろん、子どもの実際の様子を知っていても困ることはありませんが、スクールカウンセラーが子どもを知っていることはそれほど重要ではありません。保護者の方が相談に来る場合には、保護者の子育ての悩みの相談、つまり保護者の困っていることについて相談するわけですから、焦点は保護者のお話や体験の中にあります。そのため、スクールカウンセラーは子どものことを知らなくても基本的には問題ありません。

 

今一番困っていることを話す

 初めてカウンセリングを受けた方が良くおっしゃることが、「どこから話したら良いか分からない」ということです。小さい頃からの子育ての歴史から話される方もいらっしゃいます。それが悪いわけではありませんが、一番お勧めなのは、今一番困っていることから話をすることです。

 カウンセラーが過去の経緯を含めてお子さんを理解することも大切ですが、今、保護者として困っていることが焦点ですから、まず、その困っていることをカウンセラーが理解することが大切なのです。今困っていることがある程度分かってから、それに関係している過去の出来事や経緯を順に理解していくことが、よりきちんと理解していくことにつながると思います。

 開口一番で構いませんので、例えば「今、○○ということに一番困っているんです」とお話ししてください。

 

アドバイスがほしい場合は明確に伝える

 ご家庭で子どもに毎日のように関わっていると、どんなふうに声をかけたら良いか、どんなふうに対応したら良いか、本当に分からなくなってしまうことがあると思います。そういう場面でどうしたら良いか、具体的なアドバイスがほしいと感じることが自然です。そこで、スクールカウンセラーを利用するときにも、アドバイスがほしい場合には明確に「アドバイスがほしい」と伝えていただくと良いと思います。できれば、どの場面でどんな風に困っているのかをはっきりと伝えて、その場面でどうしたら良いかについて「アドバイスがほしい」と伝えていただけると助かります。

 そして、スクールカウンセラーからアドバイスが得られた場合には、そのアドバイスを実行するとどのような良い変化が期待できるか? もし上手くいかなかったらどうなるか? そのアドバイスの根拠(理論的背景など)も聞いていただけるとありがたいです。

 

学校に知られたくないことははっきり言う

 一般にスクールカウンセラーは学校との連携を大切にしています。週に1日程度の勤務では子どもを直接的にサポートすることは難しいからです。スクールカウンセラーが子どもの理解者や味方になったとしても、子どもの学校生活へのプラスの影響はかなり少ないのが実際です。担任の先生に子どもを良く理解してもらうことが、子どもにとっては大きなプラスになります。だからこそ、スクールカウンセラーは担任の先生に子どもの情報やスクールカウンセラーとしての見解をお伝えすることが多いのです。通常、保護者の方にもそのことを確認して、了解が得られた場合に学校や担任の先生と情報を共有します。

 ところで、保護者としては学校に伝えてほしくないことがあるのも自然です。その場合には、遠慮せずにはっきりとそのことをスクールカウンセラーに伝えてください。その内容は学校へは伝えないようすると思います。その内容を伝えないことが子どもにとって大きなマイナス要因になるとスクールカウンセラーが判断した場合には、何をどのように伝えるのかについて、保護者の方詳しく打ち合わせをすると思います。

 以上のように、遠慮なさらずに、学校に知られたくないことははっきりとそう言っていただけると本当に助かります。

 

最後に

 スクールカウンセラーは、多くの学校で勤務しています。保護者の皆様がもっと気楽にスクールカウンセラーを利用して下さるとありがたいと思っております。

 

記事を書いたのは

子育てカウンセリング・リソースポート代表 半田一郎(臨床心理士・公認心理師)

 

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リソースポートのカウンセリング

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お客様の声(一例)

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