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いじめ被害での親の学校対応のポイント

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 いじめの被害があってお子様が辛い思いをしているときに、学校と連絡したり学校にお願いをしたり、学校との対応が色々と生まれてくると思います。

 

 その時のポイントを3つ紹介します。

  1. 欠席の連絡では、「いじめの被害で辛い」と伝える
  2. いじめを行った子どもから謝罪を受けることは急がない
  3. 学校に文書で気持ちや考えを伝える

 

泣いている小学生

欠席の連絡では、「いじめの被害で辛い」と伝える

 いじめの被害を受けた場合、学校へ行くのが辛くなってしまい、学校をお休みすることもよくあることです。その場合に、体調不良などの理由を学校へ伝えるのではなく、「いじめのことを思い出して不安がっていて登校できない」「いじめの被害で心理的にダメージがあって登校できない」「学校へ行くのが怖い様子で、とても登校できない」などと、学校へ連絡することをお勧めします。毎日毎日、同じような連絡であっても、学校へ伝えることをお勧めします。

 

 また、過去に欠席した分についても、いじめの被害が原因で学校へ通うことができなかった日については、具体的にその日付を学校へ伝えることも大切です。これについては、文書で伝えることが良いと思います。

 

 こんなふうに、単なる体調不良ではなく、いじめ被害による心理的な不調で欠席するのだと明確にしておくことは、大きな意味があります。

 

いじめた側の子どもの謝罪を受けることは急がない

 

 学校は、いじめの訴えを受けると、多くの場合、次のような流れでいじめの解決を図ろうとします。

1.事実関係の調査

2.いじめた側の子どもに指導

3.いじめた側の子どもの謝罪

4.関係改善への指導

 

 いじめの被害を受けた子どもの心の回復は、この4段階の学校の動きとはあまり関係なく進んでいきます。いじめた側の子どもに指導したから、いじめの被害から回復するわけではないです。

 

 また、いじめの被害を受けると、その被害体験を思い出したり考えたりすることも辛いものです。そのため、いじめた側の子どもが謝罪したいと言ってきた場合でも、その謝罪を受ける心のゆとりがないことも自然です。

 

 しかも、謝罪を受けてしまうと、いじめた側の子どもを【許してあげなくてはならい】という状況になりがちです。学校の先生からも、明確にそう言われてしまうこともあります。子ども自身が、自然とそう思ってしまうこともあります。

 しかし、いじめの被害による傷付きから十分に回復していない場合には、謝罪されても許すことができないこともあります。それは、ごく自然な気持ちです。

 

 こういったことがあるため、いじめた側の子どもが謝罪したいと言ってきた場合でも、謝罪を受けるのはよく考えてからにすることをお勧めします。よく考えるための時間的な余裕が必要ですので、いじめた側の子どもには少し待ってもらうことも大切です。 

 

学校に文書で気持ちや考えを伝える

 

 学校や担任の先生にとって、「いじめ」は「いじめ」という現象・出来事で、学級経営や学校運営上の問題です。しかし、いじめを受けた側にとっては、心のつらさや苦しさという、心理的な問題です。

 

 この違いは非常に大きな違いです。学校や担任の先生が、熱心に解決に向けて努力したとしても、この違いに気づき丁寧に考えていない場合には、いじめを受けた側がさらに辛い思いを重ねる事態となりがちです。

 

 そのため、いじめを受けた側の気持ちや考えを何度も丁寧に伝えていくことが必要となります。いじめを受けた上に、さらに努力を強いられることは、理不尽ですが、お子様の回復に向けて大切なことだと思います。

 

 しかし、いじめを受けた側の気持ちや考えは、複雑で繊細なものです。口頭で説明しても、学校や担任の先生にはなかなか伝わらないことが大半です。それは、上に書いたような違いがあるからです。また、担任の先生に説明して分かってもらえたとしても、それが他の先生に十分に伝わるとは限りません。説明が難しかったり、その時間が無かったりするからです。

 

 そこで、いじめを受けたお子様の気持ちや考え、その保護者としての気持ちや考えを文書で学校へ伝えることをお勧めします。文書は長くなっても構いません。できる限り具体的に伝えることが良いと思います。また、子ども自身の言葉や様子を具体的に詳しく書いて伝えることが大切です。

 また、文書はワープロで作成しても構いません。宛先は、学校長と担任の先生宛てにすると良いと思います。署名と日付は必須です。署名は自筆が良いと思います。ご両親様がいらっしゃる場合には、連名で自筆書名をしても良いと思います。

 

 

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