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子どもが いじめ を受けていると知った時

 

 お子様がいじめられていると知った時、保護者様は、色々とご心配になることと思います。ご自分のお子様が、ひどい言葉をぶつけられたりして毎日嫌な思いを続けているということは、親にとっては、自分の事よりも辛いものです。

 

 また、学校へ行けなくなるのではないかなどと、保護者としても不安な気持ちになることも自然なことだと思います。

 

 「いじめ」は、学校など家庭の外で生じるため、「いじめ」を保護者様が直接的に解決することは難しいものです。しかし、ご家庭でお子様をサポートすることは、いじめによる心のダメージを最小限にすることができます。

 

 お子様の心を支えるための、ポイントを紹介します。

 

学校の教室で並んでいるたくさんの学習机

「いじめられている」と言えたことをほめる

 

 お子様がいじめを受けているということを、保護者様が知ることになったのは、どういういきさつでしょうか?

 主として、3通りあると思います。1つは、学校から知らされた場合です。もう1つは、直接、いじめを受けている場面を保護者様が発見した場合です。もう1つは、お子様が保護者様に、話をしてきた場合です。

 

 いずれの場合でも、最終的には、保護者様がお子様本人に話を聞いて、いじめを受けているということを確認されたことと思います。つまり、お子様が自分の言葉で「いじめを受けている」という趣旨のことをお話しされたのだと思います。このことが、非常に大切です。

 

 「いじめを受けている」という趣旨のことを認めるのは、自分自身にとって心理的に負担が生じることです。にもかかわらず、自分で話ができたことは、非常に意味のあることです。ごまかしてしまわないで、きちんと自分で向き合うことなのです。だからこそ、自分で言えたというこを、大人が肯定的に評価して、お子様をほめてあげることが大切です。

 

 また、ほとんどすべての子どもは、親に負担や迷惑をかけたくないと子どもなりに思っています。いじめられているということを親に知られると、申し訳ない気持ちや罪悪感が心の中に生じてくるのでしょう。そのため、いじめられていても親に相談しないのです。いじめられていると言えたことをほめることは、その申し訳ない気持ちや罪悪感を小さくするのに少し役立つと思われます。

 

 こういった理由から、「いじめを受けている」とお子様が言えたことを、ほめてあげることが大切なのです。言えたことをほめるのは、忘れがちですが、最も大切なことと言っていいぐらい大切なことです。子どもの話を聞いたら、まず最初に言っていただきたいと思います。

 

 ほめ方としては、「こういう、言いだしたくないことを自分で言えるのは、素晴らしいことだよ」とか、「困ったときに、きちんと言えるのは、心の本当の強さがあるっていうことだよ」などとほめてあげるのが良いと思います。

 

いじめを受けて生じた辛い気持ちを受け止める

 

 言えたことをほめた後は、お子様の辛い気持ちを受け止めてあげることが大切です。「辛かったね」「苦しい気持ちだったんだねぇ」などと気持ちを表現する言葉を伝えて、気持ちを受け止めることが重要です。言葉で表現して気持ちを受け止めることが、お子様をしっかりとサポートすることにつながります。

 

 「辛かったね」などと子どもに言うと、余計に辛くなったりするのではないかと、心配される方も多いようです。辛い気持ちがはっきりと感じられてることはあるかもしれませんが、余計に辛くなるということはありません。言葉で表現されることを通して、自分自身の感情と「辛い」という言葉がつながります。言葉とつながることによって、感情が整理され、感情の持つインパクトや影響力が小さくなってきます。

 

 お子様が自分自身から「辛かった」などと言葉にする場合も、感情を言葉としては表現しない場合も、「辛かったね」などと言葉にして気持ちを受け止めることが大切です。

 

いじめにどう対処してほしいかを聴く

 

 お子様がいじめを受けていて、辛い思いをしているということが分かったら、何とかしてすぐにでも助けてあげたいと保護者の皆様は考えるのではないかと思います。

 

 ここで、親としての意見を優先させるのではなく、お子様自身の意見を聞くことが、非常に大切です。

 

 いじめは、自分自身のペースや気持ち、考えを大切にされないという体験です。(大人がどんなに善意であっても)勝手に物事を進めてしまうことは、お子様自身にとっては、自分のペースや気持ち、考えが大切にされないという面があります。いじめで傷ついてしまっているため、いつもよりも心が敏感になっているので、ちょっとしたことが、さらなる心のダメージにつながる危険性もあります。

 

 丁寧にお子様自身がどうしてほしいのかをよく聴くことが大切です。

 

 どうしてほしいのかを聴いたら、子どもの言いなりになるということではありません。子どもの考えをスタートしにして一緒に考えて、良い対処方法を見つけることが必要です。

 

言い忘れていたこと、言い足りなかったことがないか確認する

 

 お子様と、色々と話し合った時には、最後に「言い忘れていたこととか、言い足りなかったとはない?」と確認することをお勧めします。話し終わることで、気持ちもひと段落してリラックスするからです。リラックスできたことで、言い忘れていた重要なことを思い出したり、思考が柔軟になって良いアイディアが浮かんできたりします。

 

 それらを話さないままにしていることは、大変もったいないことですので、確認してみることをお勧めします。

 

 

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