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不登校のカウンセリング(保護者)

お子様が不登校の場合、まずは保護者がカウンセリングを受けること多いと思います。この記事では、保護者様のカウンセリングについて利点や実際について解説しました。  

 

不登校の過程で生じがちな悪循環の例

 

 不登校のお子様がいらっしゃると、保護者様としては、本当に心配なことと思いまず。お子様が学校へ行くか行かないかばかりを考えてしまって、保護者様の気持ちが追い込まれてしまうことも多いように思います。

 

 保護者様の気持ちが追い込まれてしまっていると、ご家庭でお子様との間に悪循環が生じがちです。

 

 非常に単純化していますが、悪循環を図にしてみました。

不登校の家庭で生じがちな悪循環の例

上の図は、あくまでも単純化した一つの例です。どのご家庭にも完全に当てはまるわけではありませんが、似たような悪循環はどのご家庭でも生じがちです。

 

こういった悪循環から抜け出すことができれば、お子様も不登校から少しずつ抜け出せると考えられます。

 

だからこそ、保護者様がカウンセリングを利用することには大きな意味があります。

 

保護者カウンセリングの利点


上の図にあわせて考えると、以下のような3点が保護者様のカウンセリングを利用される利点なのです。

  • 保護者様自身の少し安心感が高まる
  • お子様への関わり方の工夫が分かる
  • 保護者様の自己嫌悪が軽減される

 

 

不登校の保護者カウンセリングのポイント

 

 保護者様のカウンセリングでは、保護者様の気持ちや考えをよく聴くことから始まります。ご心配・ご不安を感じておられることを大切に聞かせていただきます。一般に心配や不安なことは、話をするだけで少し軽くなるものです。【気持ちが追い込まれてしまう】ことを少し軽減して、悪循環から抜け出すことにつながります。

 

 保護者様のお子様への関わり方について、実際にどんなふうにされているかを丁寧に聞かせていただきます。具体的な場面について、どんなふうに声を掛けて、どんな反応が返ってきたか、ということを詳しく聞かせていただきます。

 詳しく聞かせていただくと、一見良くない関わり方のようであっても理にかなった関わり方をしていることは良くあります。また、ほんのちょっとしたことですが、適切な関わり方をしていることも多いと思います。保護者様は、知らず知らずのうちに、色々な良い関わりをしていることが多いのです。その関わりを増やしていただくことは、できることを増やすだけですので、無理なくやれると思います。【子どもにきつく関わる】ことを少し減らして、悪循環から抜け出すことにつながります。

 また、専門的な視点から、今できている良い関わりを説明させていただくと、保護者様は安心なさったり、自信が持てたりするようです。【自己嫌悪】になることを少し軽減して、悪循環から抜け出すことにつながります。

 

 また、今までの関わり方を少し工夫して、良い関わり方にできるようにご提案することもあります。今までの関わり方に少しだけ工夫を付け加えるようにすることが多いと思います。全面的に帰るのではなく、少しだけ工夫するため、無理なくできることが多いと思います。【子どもにきつく関わる】ことを少し減らして、悪循環から抜け出すことにつながります。

 

お子様のカウンセリングへの導入

 

不登校のカウンセリングの場合、お子様のカウンセリングは行わないで保護者様のカウンセリングだけで進めていくことは多いと思います。実際、保護者様のカウンセリングだけで、お子様の成長につながり良い変化が生まれることは非常に多いと思います。そのため、お子様のカウンセリングは必ずしも必要ではないと思います。

 

また、不登校の子どもたちはカウンセリングを利用することについては、あまり積極的ではありません。無理に勧めてしまうと、かえってカウンセリングの利用の可能性が小さくなってしまうこと多いと思います。

 

反面、不登校の子どもたちは家族以外の人とコミュニケーションを取ることが非常に少なくなってしまいがちです。カウンセラーとのコミュニケーションは、不登校の子どもたちにとって、成長のプラスになるめんが大きいと考えられます。 

 

だからこそ、まずは保護者様のカウンセリングの中で、お子様のカウンセリングについても検討することがお勧めです。

 

不登校の子どもたちは、学校へ行かないだけではなくて、そもそも外出をほとんどしないような場合も多いと思います。外出をしない子どもたちに、カウンセリングはハードルがかなり高いと思います。また、子どもたちはカウンセリングについて「色々とうるさく言われる」とか「気持ちを分かってもらえない」などと心配していることも多いようです。また、ほとんどの子どもたちは、病院に行った経験があるため、ある程度想像がつきます。反面、カウンセリングは利用したことがない場合がほとんどだと思います。子どもたちにとっては、想像がつかないため不安を感じることも自然です。

 

子どもたちの家庭での言動から、カウンセリングをどのように勧めたら利用しやすくなるかを考えていきます。一度だけ強く勧めて無理に連れてこようとするのではなく、少しずつ工夫しながら働きかけて、その反応をもとにさらに働きかけ方を工夫することが良いと思います。一般的には【お子様自身が困っていることについて何らかのプラスになることが得られる】という趣旨の働きかけ方が良いと思われます。

 

まとめ

不登校のお子様について保護者様がカウンセリングを利用されることは、以下のような利点があります。

 

  • 保護者様自身の少し安心感が高まる
  • お子様への関わり方の工夫が分かる
  • 保護者様の自己嫌悪が軽減される
  • 悪循環が軽減される
  • お子様へのカウンセリングについて検討できる

こういったことから、不登校のカウンセリングでは、保護者様のカウンセリングに大きな意味があると考えられます。

 

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